ドラマ『人事の人見』第2話では、人見廉(松田元太)が社員研修と“隠れ残業”問題に直面し、働き方改革の必要性を実感していく姿が描かれました。
映画のようなドラマティックな研修を期待していた人見ですが、実際には労基署の調査が始まり、会社の闇に真正面から向き合うことになります。
現代の職場が抱える“働かせ方”の問題を、ユーモアを交えながらもリアルに描いた回となりました。
- 社員研修を通じて描かれる人見の未熟さと可能性
- 商品企画部の“自主的残業”に潜む現代的課題
- 労基署の調査が浮き彫りにした職場の“見えない問題”
- 人見と真野、それぞれの立場から働き方改革に挑む姿
社員研修と労基署の調査が交錯する職場の現実
第2話の序盤、人見廉(松田元太)は、若手社員たちとともに参加する社員研修に高揚感を抱いていました。
彼が期待していたのは、映画やゲームのようなエンタメ性に富んだ脱出ゲーム型研修。
しかし、現実は真面目なビジネス思考重視のプログラムで、人見はテンション急降下。
「こんなのつまらない」と愚痴をこぼす姿に、彼のまだまだ“若さ”がにじみ出ます。
ゲーム感覚の研修にワクワクする人見だが…
人見は、周囲が真剣に課題に取り組む中で、どこか浮いた存在になっていきます。
ただ、その自由な発想や発言が、逆にチームの潤滑油として機能していた側面もありました。
ここでは、“空気を読めない”が“悪意のない”人見のキャラクターが丁寧に描かれています。
労基署の調査で浮上する“サービス残業”の実態
一方で、会社に労働基準監督署の調査が突然入るという事態が発生。
匿名通報を受けたという報告に、社内は一気に緊張感に包まれます。
人事部の平田部長(鈴木保奈美)は、“記録をつけずに働く部署”があることを問題視し、真野(前田敦子)と人見に調査を命じます。
ここから、現代の企業が抱える“隠れ残業”問題へのリアルな掘り下げがスタートしました。
商品企画部・植木の“自主的な残業”に潜む危機
人見と真野が調査に向かったのは、看板商品のリニューアル案を抱える商品企画部。
そこで出会ったのが、リーダーの植木奈緒子(珠城りょう)。
彼女は自身のキャリアと成果に強い責任感を持ち、「自分で選んだ残業だから問題ない」と主張します。
しかしその実態は、勤怠記録を付けずに自宅でも仕事を続ける“隠れ残業”そのものでした。
「勤怠は自分で管理するから」──植木の言い分
植木は「いま辞めるわけにはいかない」「私の案が通れば部署の未来が変わる」と話し、真野の忠告にも耳を貸さず、黙々と業務を進めます。
そこには、“会社のため”という大義と、“評価されたい”という個人の思いが交錯しており、自己犠牲の働き方が美徳とされてしまう職場の空気感が垣間見えました。
匿名通報者の正体と明らかになる心身の限界
やがて、人見が植木の様子を心配して社外まで後を追うと、彼女は限界を迎え倒れてしまいます。
そして、労基署への通報者が判明──それは植木の夫でした。
家庭での様子から、妻の心身の不調と過労を察し、彼女を守るために告発という手段を取ったのです。
この一件は、“善意で働く”が“無理をする”に変わる瞬間の危うさをリアルに描き出していました。
人見の勤怠問題と“真野の叱責”がもたらす変化
社員の労務管理を担う立場でありながら、人見自身の勤怠記録がずさんだったことも明らかになります。
出社や退社の打刻を“思い出したときだけ”行っていた彼は、なんと月の残業時間が150時間を超える計算に。
この非常識な管理に、真野はついに堪忍袋の緒を切り、「あなたがそんなだから、他の社員も残業が軽視されるの!」と厳しく叱責します。
150時間超の残業!? 人見のマイペースな打刻管理
人見は、仕事を“楽しくやれればOK”という考えが強く、打刻のルールや時間管理の大切さに無頓着でした。
その結果が“150時間の残業”という異常な数字となって現れたのです。
ここでは、「働きやすさ」と「労務管理」は切り離せないという現代企業の現実が浮き彫りになりました。
真野の正論と、少しずつ芽生える責任感
真野の叱責に、人見は最初こそヘラヘラしていたものの、やがて「自分の立場や責任」に向き合い始めます。
彼の中に「人事として何ができるのか」「誰かを守れる存在でいたい」という気持ちが芽生えていく様子が、コミカルな描写の中にも確かな感動を生んでいました。
この小さな変化こそが、“人事の人見”が少しずつ成長していく物語の軸なのかもしれません。
人事の人見 第2話まとめ
第2話では、研修という非日常と、労基署調査という現実が交錯する中で、人見が“人事”としての役割を少しずつ自覚していく姿が描かれました。
商品企画部の植木が抱える“自主的残業”の問題を通じて、現代の職場における「見えない働き方」の危険性が明らかになります。
また、自身の勤務管理の甘さが浮き彫りになったことで、人見自身も“当事者”としての責任を痛感する展開になりました。
“働き方改革”の難しさと、社員に寄り添う人事の挑戦
サービス残業や隠れ残業の背景には、本人の「やる気」や「責任感」など一概に否定できない事情が存在します。
その“個々の想い”を無視せず、制度と人の間でバランスを取ろうとする真野や人見の姿勢は、働き方改革の本質を丁寧に描いていると言えるでしょう。
人見が見せた小さな変化が次回の鍵に?
やんちゃで自由奔放な人見が、「人の人生に寄り添う仕事」としての“人事”に目覚め始めたこのエピソード。
今後、彼がどのように変わっていくのか、またどんな社員と向き合っていくのか。
第3話以降も、笑いと社会派ドラマが絶妙に交錯する展開に注目です。
- 人見が研修と労基署調査を通して成長
- 商品企画部では“隠れ残業”が深刻化
- 通報の裏にあったのは夫婦の愛情
- 真野の叱責が人見の意識を変える
- 働き方改革に向き合う人事部の奮闘
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