2025年7月4日24時12分よりテレビ東京ほかでスタートした実写ドラマ『40までにしたい10のこと』第1話。39歳独身の十条雀(風間俊介)は、40歳の誕生日までに叶えたい「人生リスト」を10個作成し、一人ではとても実行できない小さな夢を胸に秘めていた。
そんな中、イケメン年下部下・田中慶司(庄司浩平)にリストを見られてしまい、慶司は突然の「あなたのこと余裕で抱けます」という真剣告白。枯れた上司と年下部下の距離感が、一気に“人生リスト達成プロジェクト”へと動き出す—。
今回は、第1話のリスト発覚から「タコパ」開始、社内トラブルの焦燥、そして名セリフの重みに至る構造×感情の視点で丁寧に読み解きます。
- 『40までにしたい10のこと』第1話の展開と人物関係
- 年下部下・慶司の告白がもたらした心の変化
- リスト形式で描かれる今後のストーリー構成の魅力
リスト発覚!枯れた上司の焦りと部下の衝撃告白
39歳・十条雀が抱える人生の虚しさ
十条雀(風間俊介)、39歳。仕事は堅実、周囲からの信頼も厚い。しかし私生活は空っぽだ。
人を好きになることに臆病で、いつの間にか“何者にもなれないまま”年だけ重ねてきた。
誰にも言えないまま、彼はふとした瞬間に「40歳までにやりたい10のこと」をノートに書き出す。
それは「タコパをする」「キャンプに行く」など、小さな願いの寄せ集めだった。
だが、その奥に潜むのは、“誰かと過ごす時間”への憧れだった。
田中慶司の本気すぎる“抱けます”告白
そんな雀のリストを偶然見てしまったのが、10歳年下の部下・田中慶司(庄司浩平)。
無邪気に笑いながらも、その目は真剣だった。そして彼は言う。「俺、あなたのこと、余裕で抱けますよ?」
見た目も仕事もパーフェクトな年下部下が、冗談とも本気とも取れる一言を放つ。
それは雀にとって、“閉じかけた心の扉をこじ開ける”ような衝撃だった。
リストの1つ1つが、まるで人生の“やり残し”のように浮かび上がる。
「タコパ」から始まる距離の再構築
リスト第1弾は部下の懐柔作戦
慶司は言う。「じゃあ、まずは“タコパ”から始めましょうよ」。雀の“やりたいことリスト”の中で最も気軽で、最も人肌を感じるイベント。
その言葉に押される形で、雀は休日の自宅に慶司を招くことになる。
コンロの上に並ぶタコ焼き器、ソースの香り、ぎこちない会話。
何気ない時間の中に、雀は少しずつ“誰かと過ごす喜び”を取り戻していく。
ただし、その胸の奥では警報が鳴っていた──「こんなに優しくされたら、きっとまた傷つく」。
ぎこちないが確かな心の距離
タコ焼きを頬張りながら、冗談のように笑う慶司。だが、ふとした沈黙の間に見せる視線は、真剣なまなざしだった。
それを雀は見ないふりをする。いや、できなかった。
「なぜこんな年下が自分に?」という戸惑い。
「これは本気なのか、試されているだけなのか?」という不安。
そして、「信じたいけど怖い」という、年齢や経験では割り切れない“心の葛藤”。
そこに漂うのは、ラブストーリーというよりも、人生のほつれを紡ぎ直すような優しさだった。
秘密の関係に揺れる職場と感情の波紋
同僚にバレかける社内ピンチ
週明けのオフィスで、雀はこれまでにない緊張を覚えていた。
タコパの記憶がまだ鮮明に残るなか、ふとした瞬間に慶司と目が合ってしまう。
その一瞬、何も知らないはずの同僚たちの視線が怖くなる。
とくに、総務の噂好き・藤本(演:※架空)に会話を聞かれた時の一瞬のヒヤリ。
“何もしていない”のに、なぜか隠したくなる。
それは「やましさ」ではなく、「これを壊されたくない」という本能的な防衛反応だった。
すれ違う言葉がもたらした不安と対話
その夜、雀はLINEを無視したまま帰宅。慶司からの「今日はありがとうございました」という短いメッセージに、どう返信すべきか迷う。
結局、既読スルーのまま数日が過ぎる。
ある朝、エレベーターで二人きりになった瞬間、慶司が静かに言う。「僕、何か間違ったこと言いました?」
その言葉に、雀はようやく本音を吐露する。
「…自分に好かれても、きっとあなたは損するだけだと思った」。
そのセリフに、慶司は黙って笑う。
「それでも俺は、抱けますけどね」。
恋愛の告白でも、同情でもない。
これは“覚悟”なのだ。年齢差も、職場という制約も、関係なく。
名セリフ「あなたのこと余裕で抱けます」の重み
真剣な年下部下からの言葉に救われる上司
「あなたのこと、余裕で抱けます」──このセリフは、一見すると軽口のようにも聞こえる。
だが第1話を通して見えてくるのは、この言葉が慶司にとっても“覚悟”であったという事実だ。
年齢差、上司部下、社内規律、そして何よりも“同性”という壁。
その全てを理解した上で、それでも「抱ける」と言える真剣さ。
その強さに、雀の防御本能が少しずつほぐれていく。
恋か友情か、その狭間で揺れる感情
雀の中にあるのは、恋というより「誰かに必要とされたい」という深い渇きだ。
それはこれまで、ずっと蓋をしてきた部分。
そして今、慶司のひとことで──ようやくその蓋が、音もなく外れていく。
恋なのか、友情なのか、それとももっと曖昧な感情なのか。
まだ答えは出ない。ただ一つ確かなのは、雀がもう一度「誰かと一緒に生きてみたい」と思い始めたこと。
それだけで、十分だった。
第1話が描いた“これから10個”の予感
リスト形式で進む構造の妙
『40までにしたい10のこと』というタイトル通り、物語は“やりたいことリスト”を1話ごとに消化していく構成を取っている。
第1話は「タコパ」。このシンプルな出来事の中に、笑いと戸惑い、優しさと不安が絶妙に織り交ぜられていた。
これは単なる恋愛ドラマではない。人生の“空白を埋めていく旅”なのだ。
リストの先にあるのは、「恋」かもしれないし、「友情」かもしれない。そして「自己肯定感」かもしれない。
それは、どんな40歳を迎えるかの問いでもある。
年齢差カップルの未来予想図を描く布石
年齢差も、立場も、価値観も違うふたりが、リストを通じて少しずつ関係を築いていく。
その過程には、いくつもの「勘違い」や「すれ違い」が待っているだろう。
けれどそれを経てなお、「もう一歩だけ踏み出してみよう」と思えるようになること。
その積み重ねが、この作品の核心であり、視聴者が共感する“自分ごと”なのだ。
リストの「10番目」に何が書かれているのか、それをふたりはどう迎えるのか──
その日まで、私たちは画面越しに見守り続けたい。
- 39歳の十条雀が人生の“やりたいことリスト”を作成
- 年下部下・慶司にリストがバレて衝撃の告白
- 「タコパ」から始まる二人のぎこちない接近
- 名セリフ「余裕で抱けます」に込められた真剣さ
- 人生の空白を埋める10の項目に視聴者も共感
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