ドラマ『対岸の家事』第7話では、坂上(田中美佐子)の言動に明らかな異変が現れ、認知症の可能性が浮上します。
詩穂(多部未華子)は坂上を気にかけて行動しますが、その姿勢が娘・里美との対立を招きます。
同時に、長野家では量平の転勤が決まり、家族の将来への不安も描かれ、物語は「家族と介護」という現代的な問題へとシフトしていきます。
- 坂上に現れた認知症の兆候と詩穂の気づき
- 詩穂と坂上の娘・里美との感情的対立
- 長野家の転勤問題と家族の今後への不安
坂上に訪れた異変と認知症の兆候
これまで家事の先輩として詩穂を導いてきた坂上に、明らかな“変化”が訪れます。
詩穂が坂上の家を訪れた際、棚に同じ醤油が何本も並んでいるのを見つけ、違和感を覚えます。
「特売だったから」と笑う坂上の言葉とは裏腹に、何かを忘れているような言動が徐々に増えていくのです。
醤油が何本も…繰り返される会話の違和感
同じ調味料を繰り返し買ってしまうのは、認知症の初期症状として知られる“重複買い”のひとつです。
さらに坂上は、同じ話を何度も繰り返すようになり、記憶の混乱や感情の不安定さも目立つようになります。
この状況に、視聴者も詩穂と同じように「もしかして……」という不安を抱かずにはいられません。
スーパーでの万引き疑惑と感情の起伏
中谷とスーパーにいた詩穂は、万引き騒ぎに巻き込まれた坂上と偶然遭遇します。
本人は激しく否定するも、その言動は支離滅裂で、これまでの坂上とはまるで別人のようでした。
感情の起伏が激しくなり、うまく説明ができなくなる――それは坂上自身も気づいていない変化なのかもしれません。
坂上の娘・里美と詩穂の対立
坂上の異変を目の当たりにした詩穂は、彼女を支えたいという思いを強くしていきます。
しかし、それが思わぬ衝突を生むことになります。
坂上の娘・里美が現れ、母の症状に対する不安と共に、「もう家には来ないでほしい」と詩穂に伝えるのです。
「もう来ないで」と言われても、詩穂が引けない理由
他人に踏み込まれることを嫌う里美の言葉に、詩穂は大きく動揺します。
しかしそれでも彼女は引き下がりません。
坂上への恩、尊敬、そして「放っておけない」という強い感情が詩穂を突き動かしているのです。
それは理屈ではない、“人としての情”でもあります。
詩穂の“母親投影”と中谷の疑問
中谷は詩穂の行動に対して、「なぜそこまで坂上さんにこだわるのか?」と問いかけます。
それに対し詩穂は明確に答えることができず、自分自身の気持ちに戸惑いを覚えることに。
坂上の姿に、自身の母親の面影や「理想の女性像」を重ねているのかもしれない――そんな解釈も浮かび上がってきます。
この対立は、介護・親子・他人の境界線というテーマを鋭く映し出しています。
長野家にも訪れる家族の転機
坂上家での騒動が続く一方、長野家にも新たな変化が訪れます。
夫・量平(川西賢志郎)の転勤が決まり、礼子(江口のりこ)は、これからの生活や子どもたちの環境について思い悩むようになります。
“家庭を支える”という役割の変化にどう対応するのか、礼子の表情には焦りや不安がにじみます。
量平の転勤と礼子の不安
量平は前向きな様子で転勤を語りますが、礼子の中には「このままでいいのか?」という葛藤が芽生えます。
これまで夫のキャリアや家族の生活を優先してきた彼女にとって、自分の意志や人生をどう扱うかという問いは避けられません。
その揺らぎは、現代を生きる多くの女性視聴者にも共通するテーマでしょう。
家族の形をどう保つのか
転勤=転機。
この変化は、家族としての在り方を見つめ直すタイミングでもあります。
子どもたちの学校、両親との距離、仕事の問題……。
夫婦間のバランスだけでなく、“家族の拠点”という目に見えない重さが、礼子にのしかかります。
ここでもまた、「誰かのために自分を抑える」ことの限界が問い直されるのです。
対岸の家事 第7話ネタバレまとめ
第7話は、“家事の中に潜む人生の重さ”がにじみ出た、静かで深いエピソードでした。
坂上の認知症疑惑を通じて、「老い」と「孤独」、そして「家族の距離感」がリアルに描かれ、詩穂の揺れる心情も共感を呼びました。
一方、長野家では量平の転勤という転機が訪れ、家族の未来に対する礼子の不安が浮かび上がります。
介護と家族の距離感を問う現代的テーマが浮き彫りに
「どう関わるか」「どこまで踏み込むか」という問題は、血のつながりだけでは解決できない現実を映しています。
詩穂の“他人だからこそ守りたい”という気持ちが、娘・里美との対立を引き起こしたように、
このドラマは“他者”との関係性にこそ家族の形を問う作品なのだと、改めて実感させられる回となりました。
- 坂上に認知症の兆候が現れ始める
- 詩穂の思いやりが里美との対立を生む
- 中谷は詩穂のこだわりに疑問を抱く
- 長野家には量平の転勤という転機が訪れる
- 家族と他人の距離感がテーマの重厚な回
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