人事の人見 第6話ネタバレ｜熱意が報われない就活のリアルとは？

『人事の人見』第6話では、「好き」という気持ちと現実のギャップに揺れる就活生と、それを見つめる人事担当者の葛藤が描かれます。

文房具を愛し、日の出鉛筆に入社したいという強い思いを抱く就活生・新山健太郎。その情熱は本物でしたが、結果は不採用。

熱意だけでは通用しない現代の採用システムに疑問を抱いた人見が取った行動とは？選ばれなかった想いと、もう一度向き合う勇気が問われる物語です。

新山健太郎の熱意と不採用の衝撃

第6話の舞台は、新卒採用の面接会場。

文房具愛に満ちた就活生・新山健太郎のまっすぐな志望動機が、人見の心を動かします。

しかし現実は厳しく、その熱意は「不採用」という形で否定されてしまいます。

文房具への愛と「日の出鉛筆で働きたい」夢

新山健太郎は「小さい頃から日の出鉛筆で働きたい」と語り、文房具への並々ならぬ愛情を披露します。

彼の言葉には装飾された面接対策ではない、純粋な情熱が込められていました。

人見はそのまっすぐさに強く共感し、「新山くんならきっと大丈夫」と思わず声をかけてしまうほどです。

ですが、その誠意ある想いが報われない展開が、視聴者にも大きな疑問を投げかけました。

三次面接で落選した現実と人見の動揺

最終選考まで進んだかに見えた新山の名前が、通過者リストには存在していませんでした。

「なぜ彼が落ちるのか？」という人見の疑問は、単なる同情ではなく、人事の仕組み自体への問いへとつながります。

人見はその“違和感”に突き動かされ、「このままでいいのか？」と行動を起こす決意を固めていきます。

この時点で人見の中に芽生えた疑念こそが、物語の核心です。

人見が感じた“違和感”と採用制度の矛盾

「好き」だけでは評価されない採用基準に、人見は深い戸惑いを感じます。

彼の視点から見えるのは、数値化された“能力”ではなく、人そのものの魅力です。

その違和感はやがて、企業の選考の在り方に一石を投じる行動へとつながります。

採用基準に対する疑問とウジンへの直談判

人見は採用担当のウジンに対し、「不採用者ともちゃんと話をしたい」と訴えます。

この行動には、採用を“選別”から“対話”へと変えたいという彼の意志が込められていました。

ウジン自身も実は転職活動中であり、評価されない苦しみを知る立場。

人見の提案に静かに心を動かされていきます。

“好き”という気持ちが軽視される現実

新山のように「好き」という想い一本で挑んだ学生が落とされる現実。

それは「志望動機が情緒的すぎる」「企業研究が足りない」といった定型的な理由で排除されてしまう現実の再現です。

しかし、人見はその判断に対して本当にそれでいいのか？と自問します。

「心が動いた」という事実の方が、よほど強い評価軸になるのではないかと。

バーベキュー面談で示した“対話”の価値

選考に落ちた学生と再び向き合いたい――。

その思いから人見は、採用担当のウジンと共にバーベキュー形式の面談を実施します。

形式張らない対話の中で、人を知ることの本質に気づかされる展開となりました。

評価ではなく関係を築く再会の場

バーベキュー面談では、落選した学生たちが笑顔で再び集まってきます。

彼らは単に再チャンスを求めているのではなく、“自分をちゃんと見てくれる場所”を欲していたのです。

選考というフィルターを外した対話の場は、関係性を築く入り口として機能しました。

「この人と働きたい」と思える出会いは、紙の書類からは決して生まれません。

選ばなかった側の「間違いだったかも」

学生との会話の中で、ウジンはふと口にします。

「新山くんを落としたのは、もしかして間違いだったかも」と。

この言葉に込められたのは、企業側もまた「正解」がわからないままに人を選んでいるという現実です。

“選ぶ側も迷っている”という構造を知ることで、視聴者も就活の見方が変わるはずです。

ウジンの転職活動に重なる“選ばれない痛み”

実はこのエピソードの裏では、ウジン自身の転職活動が描かれています。

彼もまた「選ばれない」側の痛みを抱えていたのです。

それが学生との対話の中で交錯し、彼の中にある変化が芽生えていきます。

自分の居場所を求めるウジンの苦悩

ウジンはクリエイティブな仕事を求めて異動を希望していましたが、思うように動けず転職活動を開始していました。

しかし、その活動も芳しくなく、自信を失いかけていたのです。

そんな時、人見の熱意に押される形で学生と向き合う場を設けたウジン。

学生たちとの交流を通して、自分もまた誰かに“選ばれたい”存在であることを思い出していきます。

バーベキューで得た共感と再起動のきっかけ

ウジンは、選考に落ちた学生から「話せてよかった」と感謝されます。

この一言は、人事という仕事の本質は“人と向き合うこと”なのだと、彼に再認識させるものでした。

そして、学生だけでなく自分自身にも“もう一度向き合おう”と立ち上がる姿勢を見せるのです。

人見の行動は、周囲にも変化をもたらすきっかけとなりました。

就活の本質は「誰と働きたいか」

新山の不採用という事実を通じて浮かび上がるのは、「採用とは何か？」という根源的な問いです。

能力主義や実績評価に偏る中で、人見が見ようとしたのは“人柄”や“想い”でした。

第6話は、働く上で本当に大切にすべき価値観に気づかされる内容となっています。

能力よりも“相性”で決まる現場のリアル

面接ではスキルや志望動機が重視されがちですが、実際の職場では「誰と働くか」が業務効率やモチベーションに直結します。

人見は、面接での印象だけでなく、新山との偶然の再会や会話の中で「この人と働いてみたい」という直感を抱いていました。

“相性”という評価されにくい基準こそが、職場における幸福度を決めるのだと感じさせられます。

選考を超えて芽生える「一緒に働きたい」気持ち

バーベキュー面談後、人見は「この人と働きたい」と思う気持ちを、制度や評価の枠組みではなく“実感”として抱いていました。

この感情は、履歴書では測れないものであり、人間同士の出会いから生まれる原点的なものです。

「一緒に働きたい」という想いを起点にした採用こそ、これからの企業に求められる姿なのかもしれません。

人事の人見 第6話ネタバレのまとめ

熱意が報われなくても、想いは誰かに届く

第6話では、新山のまっすぐな熱意が企業のフィルターで否定されるという現実が描かれました。

しかし、その想いは人見に届き、彼の行動を突き動かしました。

“伝える努力”が、いつか誰かの心を動かす。その確信を持たせてくれる展開でした。

採用とは、人と人の関係性を築く第一歩

書類や数値ではなく、人そのものを見つめるという姿勢が、本来の採用の意味を思い出させてくれます。

人見のように、人に心を寄せることから始める人事こそが、会社を変える力を持つのかもしれません。

「誰かと働きたい」——その気持ちを大切にすることが、仕事の本質であると感じさせる最終盤でした。