『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』は、異なる宇宙世紀観をベースに構築された、新たな“ガンダム世界”を描いた作品です。
その中では、従来のザクやガンダムに加え、ジオン製ジムやクランバトル用のカスタムザク、主役機「GQuuuuuuX」など、想像を超えるバリエーションのMS(モビルスーツ)が登場します。
この記事では、2025年5月時点で判明しているモビルスーツとモビルアーマーを、設定や型式番号とともに完全網羅します。
- 『ジークアクス』に登場する全モビルスーツの型式と特徴
- ゲルググ(スガイ機)や軍警ザクなど意外な機体の役割
- 従来の宇宙世紀と異なるMS開発史と思想背景
主役機「GQuuuuuuX(ジークアクス)」のスペックと存在意義
『ジークアクス』における象徴的存在、それがGQuuuuuuXです。
型式番号GMS-Omegaの謎、コアファイター分離機構など、他のガンダム作品とは一線を画す仕様が注目を集めています。
本見出しでは、その性能、システム、思想的意義までを掘り下げます。
GQuuuuuuX(ジークアクス)は、ジオンが開発したニュータイプ専用機であり、その中でも“選ばれた者”にしか起動できない極端な個体制御性を持ちます。
搭載されるオメガサイコミュは思考制御を可能とし、パイロットの感情・思念を即座にモビルスーツ挙動へと変換します。
これは従来のサイコミュを凌駕する感応技術であり、搭乗者であるアマテ・ユズリハ(マチュ)の存在が鍵を握ります。
特筆すべきは6本のV字アンテナ構造で、機体の感応範囲と脳波干渉精度を極限まで高めています。
また、ジオンにおける“選ばれた兵器”として、搭乗そのものが儀式化されているという設定も明らかにされており、思想兵器の側面すら持ち合わせています。
この精神主義的設計は、従来の「技術優先MS観」からの脱却を意味しています。
GQuuuuuuXは分離・合体機構を採用しており、コアファイター方式により空中合体が可能です。
これは連邦製RXシリーズの系譜を踏襲したものでありつつ、独自発展型として“白いガンダム”との対比が意図されています。
また、MSΩという型式名からも、“最後のMS”という意味合いを含むメタ構造が見て取れます。
連邦軍MS一覧(U.C.0079~0085)
ジークアクス世界における地球連邦軍のモビルスーツは、従来のV作戦機をベースとしながらも、多くのリビルド・リファインが施されています。
特に白いガンダムや軽キャノン、さらにMS-01系列の発展型など、U.C.0079〜0085に渡る新機構が多数登場。
本節では、その技術的特徴と配備状況を体系的に整理します。
RX-78-02(白いガンダム)は、従来の“ガンダム”と異なり頭頂部に追加カメラを搭載し、視野性能が大幅に向上しています。
主兵装はビーム・ライフル、サーベル、バルカンを基本に、状況に応じてスモーク・ディスチャージャーや追加装甲を装着可能。
U.C.0085ではこの機体が赤いガンダムとして再登場し、戦争の因果を象徴する存在となります。
RX-78-01(01ガンダム)は、白兵戦特化型としてガンキャノンをベースに開発された機体で、バイザーの下に4眼センサーを内蔵しています。
主に近接格闘と中距離支援を担い、ワケイ艦隊所属として白いガンダムとの戦闘で敗北する描写が印象的です。
この機体はガンダムの量産試作段階における“逸脱機”としても注目されています。
RGM-79K(軽キャノン)は、ガンダムの量産化が頓挫したことによる設計代替案として開発されました。
上半身はガンキャノン、下半身はガンダムの構造を流用し、センサー類が頭部に4基、胸部に1基とバランス重視の設計。
また、アルテーシア専用機(白仕様)も存在し、ニュータイプ専用インターフェースが搭載されています。
その他、RX-75ガンタンクやRX-77ガンキャノンも再構成された形で登場します。
特にガンタンクは全周回転レール砲を採用し、車両支援だけでなく拠点制圧任務にも対応可能な設計に。
ガンキャノンはマルチボールカメラ内蔵など、情報戦も見据えた多目的MSとして強化されました。
ジオン軍MS:ゼロザから赤いガンダムまで
『ジークアクス』世界におけるジオン公国軍は、ザク以前に「ゼロザ」という機体を運用しており、その後の技術体系に深い影響を与えました。
また、鹵獲機をベースとした赤いガンダムや、ジオン製ジムなど、既存の枠に収まらない開発経路も多数存在します。
本項では、ジオンMSの進化系譜を型式番号とともに検証していきます。
最古のジオン系MSとして記録されているのがMS-05 ゼロザです。
これは後のザク I に該当する機体で、設計思想やコクピット配置など、現在のジオン機の基礎がここにあります。
量産前提の構造とマニュアル操作中心の操縦系が特徴であり、初期のジオン工業試験用MSとしても運用されていました。
次に登場するのが言わずと知れたMS-06 ザクです。
この機体はゼロザの運用実績を踏まえて機動力と整備性を向上させ、様々なバリエーションが存在します。
シャア専用機はもちろん、黄色い鹵獲機や緑塗装の旧式型、さらには市街戦用警察仕様まで多岐に渡ります。
注目すべきはgMS-α 赤いガンダムの存在です。
これは連邦から鹵獲されたRX-78-02をジオン側が再塗装し、ビット兵装とアルファサイコミュを実装した特殊仕様です。
第1形態では単なる塗装差だったものの、第2形態では完全なニュータイプ専用機へと進化を遂げ、後にシュウジが搭乗する機体として再登場しました。
MS-09 ドム/MS-09R リックドムもこの時代の代表的ジオン機です。
シャリア・ブル機(黒紫)やトワ機(緑)など、カラーリングによって部隊特性が示されると同時に、陸戦・宇宙戦への最適化も施されています。
大型ブースターによる宇宙機動性強化版であるリックドムは、特にソロモン戦線でその真価を発揮しました。
そして、ジオンによる技術逆輸入の象徴がジオン製ジムです。
これはV作戦の中核技術をジオンが解析し、ガンダムの量産型として独自に開発した機体群で、緑を基調としたジム系機体が多数配備されました。
U.C.0085の戦闘では白塗装のジオン製ジムが赤いガンダムと交戦しており、その再利用性と改修文化も注目点です。
モビルアーマー編:ビグザム・キケロガ・アッザ
『ジークアクス』におけるモビルアーマー(MA)は、単なる大型兵器に留まらず、精神的支配力や“思想兵器”としての意味合いをも帯びています。
特にビグザムの量産化や、サイコミュを拡張したゼロサイコミュ搭載型など、前例のない戦略的アプローチが試みられています。
本項では、各MAの特徴と登場意義について考察していきます。
ビグザムは、従来では試作機1機限りとされていた重MAでしたが、『ジークアクス』では量産機として運用されます。
U.C.0079のルナII防衛戦では、ギレンの命令により3機のビグザムが同時投入され、連邦艦隊に壊滅的打撃を与えました。
装甲厚・火力・プレッシャーの三位一体で、戦場における絶対的象徴として描かれています。
キケロガは、ゼロサイコミュを搭載したニュータイプ専用MAで、精子におけるブラウ・ブロに類似する設計が見られます。
球状の機体フォルムに多数のバインダーを装備し、オールレンジ攻撃を可能とする高精度攻撃能力が強みです。
その制御は完全に思念依存であり、コックピットには全天周囲型モニターを超える、“投影脳共振視覚化インターフェース”が実装されています。
アッザは庵野脚本時代の構想にのみ存在し、劇中では名前程度の登場にとどまります。
設定上は、オデッサ作戦において連邦のビッグトレーと相打ちとなった“亡霊MA”であり、その姿を見た者は少ないとされています。
詳細な型式番号や兵装は未発表ながら、資料集やインタビューからは火力特化型であることが示唆されています。
サイド6と戦後のMS事情
『ジークアクス』の世界観では、一年戦争終結後のU.C.0085においても、MS技術の継承と転用が続けられています。
特に中立コロニー「サイド6」では、自治権を背景に警察部隊・民間企業による独自のMS運用が展開されています。
本項では、戦後社会に適応したザク系列のバリエーションに注目していきます。
軍警ザクは、終戦後にサイド6が治安維持のため独自配備したMSで、警察仕様の装備が最大の特徴です。
武装にはザクマシンガンの簡略版と、催涙弾発射装置「サマタ」が搭載されており、非殺傷を前提とした構成となっています。
特殊部隊仕様では背部ブースターを追加装備し、ティターンズカラー風の青黒塗装も確認されています。
民間ザクは、戦後払い下げられた旧式ザクを企業が再整備し、作業用として転用した機体群です。
例えば、黒潮建設が運用する黄色ペイントの建機ザクでは、右腕にショベルアームを搭載し、頭部センサーも工事向けに再調整されています。
これら機体は戦闘用OSを省略しており、通常のモノアイは青色点灯に変更されるなど非軍事性を象徴づけています。
クランバトル仕様ザクは、民間ザクに戦闘用ソフトウェアをインストールしたカスタム機です。
これによりモノアイが赤く再点灯し、ビーム兵器・ヒート系近接装備も使用可能となります。
違法ギャンブル戦“クランバトル”での使用が確認されており、ポメラニアン仕様ザクなどカスタム例も多数存在します。
その他の機体・未分類カテゴリ
『ジークアクス』では、正規軍所属のメイン機体以外にも、バリエーション機や劇中サプライズ登場といった形で、多彩なMSが投入されています。
これらの機体は、設定資料や映像内での“隠し要素”として描かれ、作品にさらなる奥行きを与えています。
本項では、そうした未分類機体の中でもとくに注目を集める機体について紹介します。
ゲルググ(スガイ機)は、TV本編第4話にてサプライズ登場し、視聴者を大いに驚かせました。
一見するとジムに酷似したカラーリングとシルエットですが、頭部に3基の複眼レンズを備えたセンサー機構が大きな違いです。
この描写により、連邦MSとジオン技術の境界が意図的に曖昧にされており、『ジークアクス』独自の“兵器混淆世界観”が演出されています。
また、このスガイ機はHG 1/144スケールでキット化されており、商品展開上でも重視されている存在です。
塗装は淡いミントグリーンとライトグレーを基調としており、まさに“ジムと思いきやゲルググ”という意外性を体現したカラーリングです。
脚部バーニアの大型化やシールド形状から、実戦用に調整された高速戦型とも考えられています。
今後のシリーズ展開では、スガイ機以外のバリエーション機(ボカタ機など)も登場する可能性があり、ファンの考察熱はさらに高まっています。
ゲルググという機体自体の再評価にもつながる展開であり、旧MSの新解釈として象徴的なポジションを確立しつつあります。
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『ジークアクス』モビルスーツの世界を総括
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』におけるMSの構築は、単なる兵器群の羅列ではなく、歴史観・技術観・思想を織り交ぜた複合的世界観の表現です。
それは従来の宇宙世紀の延長でありながら、まったく新しい宇宙世紀とも言える“もう一つの未来像”でもあります。
この世界のMS群は、設定考証と演出意図を通じて語りかけてきます。
ジオン・連邦両陣営のMSは、兵器としての性能を超えて思想性を帯びており、たとえばGQuuuuuuXの存在は“選ばれし者の力”というテーマを象徴しています。
一方で、民間ザクや軍警ザクといった“戦後を生きる兵器”の描写もあり、単なる戦争ドラマではないことが明白です。
それぞれのMSは、時代・人間・物語の文脈と密接に結びついています。
また、リックドムやゲルググ、ガンキャノンに至るまで、過去作からのオマージュ的再解釈がふんだんに盛り込まれており、歴代ファンへのメッセージ性も感じられます。
「あの機体が、こんな形で蘇るのか」という驚きは、シリーズファンにとって強い魅力です。
この“再構築”の手法こそ、ジークアクスならではの創造性だといえるでしょう。
今後、ガンプラ展開や外伝メディア、設定資料集の公開が進めば、さらなる機体や系譜図が明らかになることが予想されます。
ジークアクスのMS群は、まだ完成していない。 だからこそ、これからの続報と物語の進行に目が離せないのです。
“ガンダムの未来”を見たい者は、この世界のMSに注視せよ。
- 主役機ジークアクスはオメガサイコミュを搭載した選別型MS
- ゲルググ(スガイ機)は第4話に登場、ジムに似た外観が話題
- 民間ザクや軍警ザクなど戦後世界を映すMSも登場
- ビグザムやキケロガなど思想的モビルアーマーも印象的
- 再解釈されたMSが“もう一つの宇宙世紀”を彩る
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