ドラマ『人事の人見』第3話では、企業での「副業禁止規定」と、今や社会的に市民権を得つつあるVTuber活動の是非がテーマとなりました。
研究開発部の社員・土橋由依が「月乃マタタキ」名義で行っていたVTuber活動が、会社の規定違反に当たるかどうかを巡り、人事部が揺れ動きます。
主人公・人見廉のピュアで突飛な行動や、森谷の共感によるサポートなど、個人の自己表現と企業ルールの板挟みを描いた社会派エピソードです。
- 『人事の人見』第3話のあらすじと副業をめぐる物語
- VTuber活動をめぐる社員の葛藤と人事部の対応
- 人見廉・森谷・土橋それぞれの立場と行動の意味
副業とVTuber活動は“規則違反”?会社と個人の葛藤
第3話の物語は、「日の出鉛筆」社内で副業禁止の通達メールが全社員に送信される場面から始まります。
これをきっかけに、社内の人事部には「これは副業にあたるのか?」「何がOKで、何がNGなのか?」という社員たちからの相談が殺到します。
中でも注目されるのが、研究開発部の若手社員・土橋由依(山口まゆ)のケース。彼女は「月乃マタタキ」という名でVTuberとして活動し、収益化・グッズ展開まで行っていたという事実が浮上します。
社員の副業禁止を通知する社内メールから波紋が広がる
今回、会社側が出した副業禁止通達の背景には、“法の番人”と呼ばれる総務部長・石郡の強硬な指示があります。
「副業を放置するのは人事の怠慢だ」とプレッシャーをかける石郡に対し、人事部長の平田(鈴木保奈美)は苦悩。
形式的にはルールを守らせる必要がある一方で、社員一人ひとりの事情や働き方の変化にどう寄り添うか、企業としての“在り方”が問われる展開となります。
VTuber「月乃マタタキ」こと土橋由依の過去と想い
土橋のVTuber活動には、ただの副収入目的ではないパーソナルな背景があります。
高校時代に対人関係で悩み、「アバターを使って話すことで、少しだけ自分が好きになれた」という彼女の言葉には、多くの視聴者が共感したのではないでしょうか。
このエピソードは、“仕事”と“自己表現”の境界線をテーマに据え、単なる規則論にとどまらない現代的な問いを投げかけています。
森谷と土橋の関係性に見る“共感と支援”の力
第3話では、人事部の森谷美香(桜井日奈子)が、土橋由依の悩みに寄り添い、支援する姿勢が描かれ、物語のもう一つの軸となっています。
規則に縛られる人事という立場でありながら、森谷は「会社のルール」よりも「人としての共感」を優先する選択を取ります。
これは、ドラマが投げかける“組織の論理と個人の感情”の対立と調和というテーマを象徴する展開でもあります。
土橋の悩みに共鳴した森谷が取った“こっそり応援”という選択
土橋がVTuberとして活動を続けたいという想いに触れた森谷は、彼女をただ注意するのではなく、「こっそり続ければいいんじゃない?」と背中を押します。
この一言は、上司というよりも“先輩女性”としての共感から生まれたものであり、働く女性の連帯感や、生きづらさへの理解が込められています。
視聴者からも「森谷が一番まとも」「共感した」という声が多く見られたのが印象的でした。
社内規則よりも大事な「自分らしさ」の尊重とは
森谷の行動は、会社員としてはグレーゾーンとも言えるものでしたが、それでも視聴者が心を動かされたのは、“人を人として見る視点”を貫いたからこそ。
副業=悪という短絡的な線引きではなく、「その人がどう生きたいのか」に耳を傾ける姿勢こそ、人事の本質を体現していたようにも思えます。
会社員としての正しさと、人としてのやさしさ。その間で揺れる森谷の姿は、現代の視聴者が共感できるリアルな人物像として描かれていました。
人見廉のキャラクターがもたらす光と影
第3話でも、主人公・人見廉(松田元太)の“ピュアすぎる”言動と行動が、物語の起爆剤として機能します。
ときに場をかき乱す存在でありながらも、組織の硬直化した常識を揺さぶるキャラクターとして描かれており、視聴者の間では評価が分かれています。
現代の職場における“空気を読まない新人”のあり方に、一石を投じる存在といえるでしょう。
VTuberに興味津々、人見の天然ぶりに賛否
初めてVTuberという存在を知った人見は、その独特な世界観に純粋な興味を示し、動画を楽しみ出すという展開に。
「月乃マタタキって、なに?」と無邪気に質問する姿は、あまりに自然体で、視聴者からは「可愛い」「癒し系」と好感を持たれる一方で、“人事としての現実味が薄い”という批判の声もありました。
シリアスなテーマの中で、彼の存在が良くも悪くも“トーンを軽くしてしまう”という点が、評価の分かれ目となっています。
型破りな行動が“チーム補完”の価値を浮き彫りに
人見の型破りな行動が物議を醸す一方で、「できない人を排除せず、活かす組織」というメッセージも見えてきます。
彼が時にトラブルの火種になりながらも、最終的には土橋の不安や疑問に対して、“決めつけない”優しさで関わっていく様子が描かれ、これが人見というキャラの持つ“光”の部分でしょう。
個性の強いキャラクターではありますが、チームで補い合う働き方の理想を体現する存在として、今後の成長にも期待がかかります。
副業容認か、徹底規制か…視聴者の反応は真っ二つ
第3話で描かれた「副業は認めるべきか、それとも禁止すべきか?」という問いに対し、視聴者の間では意見が大きく分かれました。
これはまさに、現代社会でも実際に議論されているテーマであり、ドラマを通してそのリアルさが浮き彫りになったとも言えるでしょう。
働き方改革、副業解禁、副業によるスキルアップ──現代人にとって、“会社外の自分”との向き合い方は避けて通れない課題です。
副業を巡るリアルな悩みと、時代に即した描写に注目
「副業禁止=古い体制」という図式の中で、VTuberという新しい働き方を例に挙げた本作の切り口は、タイムリーだったとの声も。
一方で、「収益化していたなら、ルールは守るべき」「副業を隠れてやること自体が問題」という規則重視派の意見も多く見受けられました。
この構図が、視聴者それぞれの価値観を投影させる“鏡”のような役割を果たしています。
ドラマのリアリティ不足?一方で時代風刺として評価する声も
一部では、「人事部の動きがリアルじゃない」「あの上司の判断は現実離れしすぎている」など、描写のリアリティ不足を指摘する声もありました。
しかしその一方で、「現代の制度疲労を、わかりやすく風刺している」「人事部を舞台にしたドラマとしては新鮮」という好意的な評価も。
ドラマとしてのメッセージ性と、リアリズムとのバランスをどう見るかによって、評価が分かれているようです。
人事の人見 第3話まとめと今後の展開予想
第3話では、「副業禁止」という企業ルールと、「VTuber」という新しい働き方を通じて、“会社と個人の境界線”を問う物語が展開されました。
土橋の悩みに寄り添う森谷、ピュアな視点で物事を見つめる人見、そして厳格な規則を押し出す石郡──登場人物たちの立場がリアルに描かれた回でもあります。
視聴者の間でも、評価が大きく分かれるテーマとなり、考えさせられる内容だったとの感想が多く見られました。
- 副業問題×VTuberという現代的なテーマ設定
- 規則と共感、どちらを優先するかという組織のジレンマ
- 森谷の共感力と人見の型破りな行動が物語を牽引
- 現実感の乏しさに疑問を感じる声もあるが、風刺性は評価
今後の展開としては、人見がどのように“人事としての本質”に目覚めていくのか、そして森谷とのコンビネーションがどう深まっていくのかが注目されます。
現代の職場が抱えるテーマを“人事”の視点から描く本作。次回もまた、話題を呼ぶテーマと共に社会への問いを投げかけてくれそうです。
- 副業禁止をめぐる会社と社員のリアルな葛藤を描く
- VTuberとして活動する社員・土橋の悩みに焦点
- 森谷の共感と人見の天然行動が物語を動かす
- 副業解禁時代のテーマ設定に共感と賛否が集まる
- 今後の展開では人見の“人事としての成長”に注目
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