2025年5月27日放送のアニメ『紫雲寺家の子供たち』第8話「Since then」では、インターハイ決勝を終えた兄妹たちの関係に、静かな波紋が広がり始めます。
勝敗を受け止めた南の心境、新に対する想いの芽生え、そして謳華の迷いや万里との特別な時間――。
“家族”という枠組みが崩れ始める中、それぞれが抱える恋心や葛藤が丁寧に描かれる転換回となりました。
- インターハイ後の紫雲寺家の“変化”
- 兄・新への想いに揺れる妹たちの葛藤
- 家族の境界線を越え始める恋心の描写
南の変化と“恋心の目覚め”|兄への意識が変わる瞬間
インターハイ決勝の激闘から数日が経ち、南(CV:菱川花菜)の中にある微細な変化が描かれ始めた第8話。
勝敗をあっさりと受け入れたように見えた彼女は、実は心の奥で“新(CV:梅原裕一郎)への想い”に少しずつ気づき始めていました。
兄妹として育ってきた距離感の中に、ほのかな“異性への意識”が芽生えていく――その微妙な心の動きが丁寧に描かれています。
試合をきっかけに芽生えた感情
南が新を意識し始めたきっかけは、インターハイという大舞台。
本気でぶつかり合う姿を見たことで、“兄として”ではない新の姿を強く焼きつけた南。
その印象は、日常に戻ってからも薄れることはなく、むしろ「この気持ちは何?」という戸惑いとして彼女の中に残り続けます。
無意識だった“特別視”への気づき
南はまだそれを“恋”とは自覚していません。
ですが、新と何気ないやりとりをする中で、「この時間が好き」「あの時の姿がかっこよかった」と心がざわめく自分に気づいていきます。
妹として当然の感情――そう思い込もうとするたびに、視線の意味、鼓動の高鳴りがそれを否定していく。
やがて南の中で、“新を特別に見ている自分”を認めざるを得ない瞬間が近づいてきます。
謳華の揺れる想い|ことのとの姉妹トークに滲む恋の本音
謳華の揺れる想い|ことのとの姉妹トークに滲む恋の本音
第8話「Since then」では、謳華(CV:高橋李依)の複雑な心の内が初めてはっきりと言葉として描かれます。
それは、姉妹のことの(CV:市ノ瀬加那)との会話の中で、「自分の気持ちってなんだろう?」と問い直すシーン。
“兄妹”という立場を保ちつつも、心の奥で芽生え始めた恋心に、謳華は戸惑いと興奮を隠せないのです。
部屋を訪ねた理由は「確認」
謳華がことのの部屋を訪ねたのは、ただの姉妹の雑談ではありません。
むしろ「自分はお兄ちゃんのことが好きなのかどうか」という迷いに対して、姉の立場にあることのにそれとなく探りを入れたようなシーンでした。
会話の中で、謳華は言葉を濁しつつも、「新に抱いている気持ちは、妹としての憧れ以上のものかもしれない」という確信に近づいていきます。
「お兄ちゃんが好き」と言った人は誰?
WEB予告に登場した「私知ってるの。っちゃんがお兄ちゃんに好きって言ったこと」というセリフ。
この“っちゃん”が誰なのか、それが誰にどう伝わったのかは明言されていませんが、謳華にとっては強烈な嫉妬や焦りを呼び起こす引き金となります。
もしかすると、自分以外にも新を「そういう目で見ている誰かがいる」――。
その事実が、謳華の中にあった曖昧な恋心を、輪郭ある“感情”へと変えていくのです。
万里と新の“夜のキャンパス”|忘れ物という名の招待
万里(CV:安済知佳)が新(CV:梅原裕一郎)を誘い、夜の看護大学へ“忘れ物を取りに行く”という名目で忍び込むエピソードは、兄妹の枠を越えた“ふたりきり”の時間を描いた象徴的な場面です。
誰もいないキャンパスで交わす会話、静けさの中に宿る距離感。
二人の関係が一歩踏み出すきっかけになった夜でした。
二人きりの時間が生む親密さ
看護大学という“万里だけの場所”に新を連れて行くという行為は、彼女にとって心を開いた証でした。
ふざけた調子で話しながらも、どこかで新に「自分の世界を知ってほしい」という想いが滲んでいます。
新もまた、そんな万里の自然体な一面に気づき、彼女との関係にこれまでとは異なる“近さ”を感じ始めていました。
看護大学という“他者の世界”で見えた新たな顔
万里の学び舎である看護大学は、紫雲寺家とは無関係な“個人のフィールド”。
そこに新が足を踏み入れたことで、万里=妹という枠に留まらない彼女の姿を目の当たりにします。
夜の校舎という特別な空間が、新の中にある“家族”という認識を揺らがせる一夜となりました。
静かに寄り添う二人の姿は、“恋愛”と“家族”のあわいを描く本作の醍醐味を象徴する場面です。
家族の境界がにじむ第8話|兄妹の絆が試される時
「Since then」と題された第8話は、インターハイという大きな節目の“その後”を描きつつ、紫雲寺家の兄妹たちが徐々に“家族という境界線”を意識し始める重要な回でもあります。
南、謳華、万里、それぞれの行動や感情の中に、“兄妹でありながら異性として意識してしまう”という微妙な揺らぎが芽生えていくのです。
それはラブコメとしてのドキドキだけでなく、“家族って何?”という問いを視聴者にも投げかけてきます。
“本当の兄妹ではない”という前提の揺さぶり
物語序盤で明かされた「血がつながっていない」という設定。
その事実があるからこそ、彼らの恋愛感情には“禁断”ではないグレーゾーンが生まれます。
そしてこの第8話では、その前提がいよいよ物語に大きな影響を与え始めます。
新が誰を“家族”として見るのか、誰を“異性”として意識するのか。
その境界が、兄妹たち自身の内面でも揺れ動いていることが繊細に描かれていました。
ラブコメに潜む“禁断性”と“選択の行方”
紫雲寺家の物語は単なるハーレムラブコメではありません。
その根底には、「家族を選ぶことはできるのか?」という、血縁や環境を超えた“絆”の再定義というテーマが潜んでいます。
だからこそ、視聴者は兄妹たちの関係性の変化にハラハラし、同時に惹き込まれていくのです。
第8話は、その“再定義の序章”とも言える、静かで強い転換点でした。
紫雲寺家の子供たち 第8話まとめ|それぞれの想いが交差する転換点
第8話「Since then」は、インターハイ決勝という非日常から日常へと戻る過程で、紫雲寺家の兄妹たちの内面に起こる微細な変化と揺らぎを丁寧に描いた回でした。
南の新への恋心の芽生え、謳華の迷いとことのへの打ち明け、万里と新の夜のキャンパスでの交流など、それぞれが“兄妹”という枠を越えて人として関わろうとする瞬間が連鎖的に起こっています。
家族という関係性の再定義が始まり、物語は“禁断×純愛”ラブコメディとしての核心へとじわじわと近づいていきます。
感情の交差点が描かれた第8話
それぞれの視点で語られる行動やセリフに、「家族って何?」「恋って何?」という根源的な問いが潜んでいました。
そして、登場人物たちがそれぞれの心の声に耳を傾け、ほんの一歩だけ前へ進もうとする姿が印象的でした。
視聴者にとっても、自分自身の“大切な関係性”を見つめ直すきっかけになる、そんな静かで強い余韻を残すエピソードでした。
- 南が新への気持ちに気づき始める
- 謳華がことのに恋心を相談する展開
- 万里と新が二人きりで夜のキャンパスへ
- “家族”という関係の揺らぎが描かれる
- それぞれの恋心が静かに動き出す回
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