NHK夜ドラ枠で放送中の和風ファンタジーアニメ『鬼人幻燈抄』。第3話「貪り喰うもの(前編)」では、物語の舞台が江戸へ移り、新たな“鬼”との遭遇と主人公・甚夜の心の葛藤が描かれます。
須賀屋の事件から3年。甚夜は江戸で静かに暮らしていたが、町を騒がせる辻斬り事件と“鬼の噂”が彼を再び闇の世界へ引き戻します。
おふうとの温かな交流、そして姿を消す鬼・茂助との出会いが、彼の運命に新たな光と影をもたらすエピソードです。
- 江戸で起きた辻斬り事件の真相と鬼の存在
- 茂助という鬼との出会いが甚夜に与えた影響
- おふうとの交流で揺れ始めた甚夜の内面
辻斬り事件の真相は鬼か人か?甚夜が見た“血塗れの現実”
第3話は、須賀屋事件から3年後の江戸を舞台に再び物語が動き出します。
甚夜は馴染みの蕎麦屋「喜兵衛」で耳にした“辻斬り”の噂に導かれ、鬼の気配が濃く漂う事件の真相に迫っていきます。
町には恐怖が広がる一方で、死体と行方不明者の数が一致しないという異様な状況が、ただの辻斬りではない不気味さを強調します。
喜兵衛の蕎麦屋で語られる噂と不気味な死体
事件の発端は、甚夜が訪れた蕎麦屋で客たちが交わす会話でした。
“獣に裂かれたような死体”と、“死者と行方不明者の数が合わない”という二重の謎が浮かび上がります。
町人たちの間ではすでに、「鬼の仕業ではないか」と噂が立ち始めており、恐怖と不安が江戸の空気を覆い始めていました。
甚夜が現場で遭遇したのは“咆哮する鬼”だった
その夜、甚夜は噂の真偽を確かめるべく現場へ足を運びます。
そこで彼が目にしたのは、女性の悲鳴とともに現れた“血まみれの骸”。
そして、一瞬にして姿を消し、鬼気迫る気配だけを残して立ち去る“何者か”の存在が、ただの辻斬りではないことを確信させます。
この出会いが、甚夜を再び“鬼との戦い”へと巻き込んでいく始まりでした。
鬼・茂助との出会いが甚夜の運命を揺るがす
甚夜が辻斬り事件を追っていた夜、突如現れたのは“姿を消す”能力を持つ鬼・茂助でした。
彼は敵か味方か分からぬ存在でありながらも、甚夜に共闘を持ちかけ、物語は新たな局面を迎えます。
“人であって鬼、鬼であって人”──茂助の立ち位置が、甚夜の世界を揺さぶり始めるのです。
姿を消す鬼の能力とその正体
茂助の最大の特徴は、己の姿を自在に消せる特殊な術です。
この能力によって、江戸の町での潜伏と情報収集を得意とし、鬼でありながら“探る者”としての役割を果たしています。
彼がなぜ甚夜に協力しようとするのか──その背景には、人間社会と距離を置いて生きる鬼たちの複雑な事情があるようです。
共闘か対立か?異なる価値観を持つ2人
甚夜にとって、鬼とは憎しみの対象であり、“人を喰らう存在”として退けるべき相手でした。
しかし、茂助の言葉や振る舞いには、人間と変わらぬ理性と目的が感じられます。
「鬼にも理がある」という視点が、甚夜の価値観を揺るがし始める──この出会いは、やがて彼の運命を変える転機となっていくのです。
おふうの優しさが甚夜の心に灯をともす
第3話で印象的なのは、甚夜と蕎麦屋の看板娘・おふうとの静かな交流です。
復讐心を抱えたまま生きる甚夜にとって、日常の温かさをくれる存在が、おふうでした。
彼女の言葉は、鬼と人との狭間で揺れる甚夜の心に、少しずつ光を差し込みます。
「生き方は一つじゃない」──救いの言葉
おふうは、「一つの生き方しかないなんて嘘ですよ」と甚夜に語りかけます。
それは、憎しみや復讐に囚われたままの甚夜の心に、優しく沁み入る言葉でした。
人を信じる力、許すことの意味、そして生き直す勇気──彼女の存在がそれらを甚夜に思い出させるのです。
鬼と人の狭間で揺れる甚夜の心情変化
茂助という“理のある鬼”と出会い、おふうという“理のある人”の言葉を受けたことで、甚夜は明確に変わり始めます。
過去の自分に縛られていた彼の足元に、未来への一歩が少しずつ形作られていく。
この回では、“鬼を討つ者”としての覚悟と、“人としての温もり”の狭間で揺れる甚夜の人間らしさが、繊細に描かれていました。
橋の上の激闘!奈津を守る甚夜と逃げる鬼
物語後半では、甚夜と茂助が辻斬りと思しき鬼と橋の上で激突するシーンが展開されます。
鬼に襲われていた奈津という少女を守るため、甚夜は本能的に剣を抜きます。
この戦いは、ただのアクションではなく、甚夜の“守る者としての決意”が試される場面でもありました。
戦いの末に得たものと、取り逃がしたもの
激しい交戦の末、奈津の命を救うことには成功します。
しかし、鬼は姿を消し、再び闇へと逃げ込んでしまいます。
勝利とも敗北とも言えないこの結果が、甚夜に複雑な感情を残します。
単に鬼を斬るだけでは終われないという現実が、彼の中の「正義」の在り方に揺さぶりをかけ始めていました。
善二が語る“廃寺に潜む鬼”とは
奈津を迎えに来た善二から、「廃寺に鬼が棲んでいる」という新たな情報がもたらされます。
茂助は、その情報を受けて単独で廃寺へ向かう決意を固め、物語は後編へと続く不穏な空気に包まれていきます。
因縁か、罠か、それとも“真の鬼”との対決なのか──次なる舞台への導入として、非常に緊迫したラストシーンとなりました。
鬼人幻燈抄 第3話ネタバレと伏線のまとめ
第3話「貪り喰うもの(前編)」は、物語の新章が幕を開ける重要な転換回でした。
江戸という新たな舞台で、“姿を消す鬼”茂助との出会い、辻斬り事件、そして甚夜の内面の変化が多層的に描かれています。
鬼との戦いと人との交流──二つの軸が交差する中で、甚夜の“生き方”に変化が生まれてきたことが最大の見どころです。
復讐か救いか、甚夜の選ぶ道は
甚夜は今なお、かつて鬼に家族を奪われた記憶を抱え、その復讐の念に縛られています。
しかし、おふうの言葉や茂助との出会いが、彼の中の“憎しみの軸”を揺るがし、新たな選択肢を提示してきています。
「鬼は敵か、同じく生きる者か」──その問いに、甚夜は今後どう向き合っていくのかが注目です。
次回“後編”への大きな伏線と見逃せない展開
廃寺に潜む“何か”の存在、そして茂助の単独行動。
これらの伏線が、次回「貪り喰うもの(後編)」でどのように回収されるのか、非常にスリリングな展開が待ち受けていることは間違いありません。
甚夜が過去と未来のはざまで何を掴み取るのか──その答えが、次回で明かされることを期待させる終わり方でした。
- 第3話は江戸を舞台に新章が始動
- 辻斬り事件の裏に“鬼”の存在が浮上
- 姿を消す鬼・茂助との共闘が始まる
- おふうの言葉が甚夜の心を揺さぶる
- 橋上の激闘で奈津を救うも鬼を逃す
- 次回、廃寺での対決へと物語が進展
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