『35年目のラブレター』のロケ地巡り｜奈良・千葉・日野の舞台を訪ねて

2025年3月公開の映画『35年目のラブレター』は、実話をもとにした感動のヒューマンドラマとして話題を集めています。

主演の笑福亭鶴瓶さんと原田知世さんが演じる心温まる夫婦の物語は、奈良県、千葉県、東京都日野市など、風情あるロケ地で撮影されました。

この記事では、映画の印象的なシーンが撮影された各地のロケ地を紹介し、作品の世界を実際に巡る“聖地巡礼”の楽しみ方をご案内します。

奈良県のロケ地｜夫婦の記憶が刻まれた場所

映画『35年目のラブレター』は、奈良県を代表的な舞台として、多くの感動的なシーンが撮影されました。

夫婦の思い出が詰まったロケーションは、観る者の心を優しく揺さぶります。

奈良の自然と歴史、そして人々の温かさがスクリーンを通して伝わってくるのも、この映画の大きな魅力です。

奈良公園・荒池園地｜たこ焼きを分け合うシーン

奈良公園内の荒池園地では、夫婦がベンチでたこ焼きを分け合う名シーンが撮影されました。

若き日の夫婦（重岡大毅と上白石萌音）も同じ場所で撮影を行い、時を超えた愛の象徴として描かれています。

鹿がのんびりと歩く奈良公園の中で、夫婦の静かなやりとりが印象的に映し出され、“何気ない日常”の美しさを体感できるスポットです。

奈良県中央卸売市場｜寿司職人としての原点

笑福亭鶴瓶さん演じる主人公・保が魚を仕入れるシーンは、奈良県中央卸売市場で実際に撮影されました。

実在のモデル・西畑保さんもエキストラとして現場に参加し、まさに“原点回帰”とも言える場面に。

市場の活気ある雰囲気と、真剣に仕入れをする主人公の姿が強いリアリティを生んでいます。

奈良市立春日中学校｜夜間学級の象徴

保が夜間中学に通い始めるシーンは、奈良市立春日中学校を舞台に撮影されました。

ここは、モデルとなった西畑さんが実際に通っていた夜間中学を再現したロケ地でもあります。

学ぶことに年齢は関係ないという映画のテーマを、まさに象徴するシーンとして心に残ります。

千葉県のロケ地｜地域と一体になった撮影現場

千葉県では、我孫子市と佐倉市で印象的なシーンが撮影されました。

地元の人々がエキストラとして参加し、地域と作品が一体となった温かい現場づくりが行われたのも、この映画の魅力のひとつです。

リアルな生活空間を活かしたロケーションは、物語の中に“日常の美しさ”を溶け込ませる演出として機能しています。

我孫子市立我孫子中学校｜300人が参加した夜間学校

我孫子市にある我孫子中学校では、主人公が学ぶ夜間学校のシーンが撮影されました。

このシーンには、地元の市民およそ300名がエキストラとして参加し、大きな話題となりました。

撮影当日は撮影スタッフと地域の協力が一体となり、リアリティ溢れる“学びの場”の雰囲気が作り上げられたのです。

中志津中央商店街（佐倉市）｜生活感ある町並み

佐倉市の中志津中央商店街では、主人公が日常を過ごすシーンが撮影されました。

この場所は、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気があり、昔ながらの人のつながりや温もりを映し出す舞台として選ばれました。

小さな商店が並ぶ街並みの中で、保と皎子の暮らしがさりげなく描かれ、誰もが共感できる“日常の風景”が丁寧に表現されています。

東京都日野市のロケ地｜物語を支えた教育の場

『35年目のラブレター』の中で欠かせない要素のひとつが、夜間中学という“学び直し”の舞台です。

東京都日野市では、実際の中学校や公共施設がロケ地として使用され、保の挑戦をリアルに描く場面が撮影されました。

市としても積極的に撮影を支援し、ロケ地マップの配布や広報活動などで映画を盛り上げています。

大坂上中学校｜主人公が通う夜間中学

物語の中心とも言える夜間学級の教室シーンは、日野市立・大坂上中学校を使用して撮影されました。

この場所は、保が再び「文字を書く」という人生の挑戦を始める象徴的な場所として描かれています。

学ぶことに年齢は関係ないというメッセージが、このロケ地にしっかりと刻まれています。

平山台健康・市民支援センター｜校門シーンの舞台

夜間学級の校門前のシーンなど、外観の撮影に使用されたのが、平山台健康・市民支援センターです。

夕暮れ時、保が戸惑いながらも一歩を踏み出す場面など、“人生の新たな扉を開く瞬間”がこの場所で丁寧に描かれました。

市民に親しまれる施設が、映画の中で大きな物語の転機の舞台となっている点も興味深いです。

ロケ地巡りで感じる『35年目のラブレター』の世界

『35年目のラブレター』のロケ地を巡ることは、作品に描かれた愛と再生の物語を、自らの肌で感じる体験でもあります。

観光では見逃してしまうような場所にも、物語の感情が染み込んでおり、映画の余韻とともに各地の魅力を再発見できます。

歩きながら、あのシーンの表情やセリフがふとよみがえる、そんな時間こそが聖地巡礼の醍醐味です。

実話の舞台をたどる旅の魅力

この作品の魅力は、実話に基づいているという点にあります。

文字が書けなかった主人公が、妻への感謝を綴るために学び直すというストーリーは、奈良や日野といった場所の風景に深く根ざしています。

そのため、ロケ地巡りは単なる観光ではなく、人生を見つめ直すような“心の旅”としてもおすすめできます。

地元に根付いた物語のリアリティ

奈良の市場、千葉の商店街、日野の中学校…。これらの場所はすべて、地元の人々の協力と参加によって物語が形づくられた舞台です。

映画の中では映しきれなかった小さなエピソードが、現地の空気を感じることでより鮮明に伝わってきます。

ロケ地を訪れることで、作品の背景にあるリアリティや温かさを、自分の物語として重ねることができるのです。

『35年目のラブレター』のロケ地巡りまとめ

映画『35年目のラブレター』は、実話に基づく感動のストーリーとともに、日本各地の美しい風景や人情味あふれる場所が丁寧に描かれた作品です。

奈良、千葉、東京・日野という３つの地域は、主人公・保と妻・皎子の人生の転機を象徴する舞台でもあります。

それぞれのロケ地を訪れることで、映画の世界をより深く味わえるとともに、地域の魅力にも自然と触れられることでしょう。

また、実際のモデルとなった人物が関わった場所や、地元の協力で実現した撮影背景を知ることは、“映画を見る目”をさらに広げてくれます。

このロケ地巡りを通じて、心温まる物語の続きが、自分の足元にもあることに気づくかもしれません。

ぜひ、映画の余韻とともに訪れてみてください。