べらぼう第17話ネタバレ|蔦重の出版革命と旧友との再会

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NHK大河ドラマ『べらぼう』第17話「乱れ咲き往来の桜」では、主人公・蔦屋重三郎(蔦重)が、江戸市中に旋風を巻き起こす人気と共に、新たな出版の道を切り拓いていく姿が描かれます。

かつての旧友・小田新之助との再会が、蔦重にとって出版ジャンル「往来物」への挑戦のきっかけとなり、新たな販路として地方市場を見据える戦略へと発展していきます。

この記事では、『べらぼう』第17話のネタバレと共に、登場人物の人間模様や蔦重の出版戦略の全貌について詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 蔦屋重三郎が往来物出版に挑んだ理由と背景
  • 江戸市中を避けた地方市場開拓の戦略と成功
  • 人間関係や恋模様が複雑に絡む物語の展開

蔦重が往来物出版に踏み出した理由と勝ち筋とは?

吉原に春の気配が漂う頃、蔦重が営む耕書堂は芝居『太平記白石』の影響で、江戸中の話題をさらっていました。

芝居に登場する「本重」というキャラクターのモデルとして噂され、蔦重は一躍“吉原のアイドル”と化します。

そんな中、彼のもとを訪れた旧友・新之助との再会が、新たな出版事業「往来物」への挑戦を後押しすることとなります。

旧友・新之助との再会がもたらした出版のヒント

かつて吉原から花魁・うつせみと駆け落ちした新之助が、農村から本を買いに蔦重のもとを訪れます。

その荷には十冊以上の往来物が入っており、村の子どもたちへの読み書き教育に使われていました。

新之助の「学がなければ人にだまされる」という言葉に、蔦重はかつての恩師・源内の言葉「書を以て世を耕すんだ」を思い出します。

この一言が、蔦重の出版人生を揺さぶったのです。

「書を以て世を耕す」――源内の言葉に導かれた出版計画

往来物とは、江戸時代の寺子屋や手習所で使われた教育用教科書です。

内容は読み書きだけでなく、農業・商業・礼儀作法など実用性の高い知識を含んでおり、特に地方では高い需要があります。

蔦重はこれを「耕書堂の新たな使命」と位置づけ、教育によって世の中を良くするという理想に突き動かされます。

そして、その理想を叶えるには、今ある江戸市中の出版構造を飛び越えた、新たな勝ち筋が必要だと気づいたのです。

地方市場を狙う出版戦略の全貌

新之助との会話から、地方の子どもたちは教育書の入手に苦労していることを知った蔦重。

往来物の供給が届いていない現実は、裏を返せば耕書堂にとっては“未開拓市場”だったのです。

江戸での競合を避け、地方に販路を見出すこの戦略が、蔦重の出版改革の核心となっていきます。

越後の豪農・長谷川、信濃の豪商・熊野屋との提携

町役も兼ねる大黒屋りつの協力を得て、蔦重は地方の有力者たちと直接交渉の場を設けます。

長谷川には『耕作往来』を、熊野屋には『商売往来』を企画し、内容に現場の声を反映させることで信頼を獲得しました。

関わった彼らは、内容に誇りを持ち、自ら積極的に流通・紹介してくれるようになります。

この“当事者化”が販路の鍵を握ったのです。

内容に関わらせることで販路を拡大する「共創」の発想

蔦重が選んだのは、ただ売るだけの出版ではなく、「一緒に作る出版」でした。

農民の知識、商人の知恵、師匠の教育観、それらを集約し、“皆の本”を作り上げる。

制作に関わった人は、その本を誇りをもって紹介し始めるのです。

この巻き込み型の戦略が、市中問屋の圧力を回避しつつ、耕書堂を地方展開の新境地へと導いていくのです。

市中問屋との対立と彫師・四五六の選択

耕書堂の名が江戸中に広がる一方で、市中の地本問屋たちは強い警戒心を抱き始めます。

とくに鶴屋、西村屋といった老舗問屋は、彫師や摺師に圧力をかけて耕書堂の制作を妨害する構えを見せます。

そんな中、彫師・四五六(しごろく)は、強硬な態度で耕書堂との仕事を引き受け、事態は一気に緊迫していきます。

圧力に屈しない職人魂と20両の契約

地本問屋たちは「蔦重の仕事を受けるなら、以後は市中の注文を一切出さない」と彫師たちに通達します。

これにより多くの職人が手を引く中、四五六は毅然とした態度で耕書堂との仕事を引き受けました。

「板木は俺の娘のようなもんだ」と語る四五六にとって、いい仕事と真っ当に向き合うことは何よりの誇りでした。

蔦重との契約は年20面分。これは収入面でも安定し、市中の仕事に頼らない新しい働き方とも言えるものでした。

耕書堂の板木制作と高品質へのこだわり

往来物は長期的に使われる実用書であるため、板木の品質は書籍の命です。

蔦重は硬くて耐久性のある桜の木を指定し、文字の美しさと保存性の両立を目指します。

これに応える四五六の仕事はまさに匠の域で、『耕作往来』や『商売往来』は見事な仕上がりを見せました。

完成した板木を手に、「五年使ったらまた来いよ。娘が古くなる前にな」と語る四五六に、蔦重は深く頭を下げます。

このように、市中問屋の締め付けがある中でも、志ある職人との信頼関係が、耕書堂の出版活動を力強く支えていたのです。

三角関係が動き出す?恋模様と花魁道中

出版戦略が着々と進む一方で、蔦重の私生活にも新たな波が押し寄せます。

春の吉原を彩る花魁道中の夜、かつての禿・かをりが「誰袖」として再登場し、蔦重との距離を一気に詰めてきます。

そこに瀬川やていの存在も絡み、恋模様が動き始める気配が漂います。

誰袖(かをり)との再会と吉原の春の夜

花魁道中の最中、突然背後から蔦重に抱きついたのは、大文字屋の看板花魁・誰袖。

その正体は、かつて耕書堂に出入りしていた禿・かをりであり、今や小悪魔的魅力を持つ美女として再び現れました。

「身請けしてくれるのはいつ?」と甘える誰袖に、蔦重は「男と女郎の間に恋はない」と真顔で突き放そうとします。

しかし誰袖は、「兄さんならしきたりも書き換えられる」と笑って迫り、蔦重は防戦一方に。

その様子を見た遣り手婆・志げに尻を叩かれ、悶絶する蔦重。

誰袖は笑いながらその場を去り、蔦重はあらためて彼女の“仕上がり”に戦慄を覚えるのでした。

瀬川、誰袖、ていの想いが交差する

蔦重の周囲には、物語の初期から彼に好意を寄せる瀬川、そして家業や出版を支える存在であるていがいます。

そこに誰袖という新たな“強敵”が加わり、蔦重をめぐる感情の軸が大きく揺らぎ始めます。

それぞれの女性が異なる立場から蔦重を見つめる構図は、視聴者にとっても注目の的です。

とくに誰袖の奔放であざといアプローチは、瀬川やていの心にも少なからず影響を与えるでしょう。

蔦重にとって、この人間模様の交錯は、事業以上に悩ましい問題になりそうです。

花咲く吉原の春に、恋の芽もまた静かに息吹を上げ始めています。

将軍継承問題と京からの思惑も動く

物語の背景では、徳川将軍家の継承問題という重たいテーマも動き出しています。

家治の年齢や後継ぎの不在が政局に影を落とし、そこに京から送り込まれたある女性の存在が、さらなる波紋を広げていきます。

出版とは別軸で進行するこの政の流れも、『べらぼう』の大きな見どころのひとつです。

家治と鶴子の出会いがもたらす政変の兆し

第十代将軍・徳川家治に対し、側用人・田沼意次が新たな側室候補として連れてきたのが、亡き御台所に瓜二つの女性・鶴子です。

上品な京言葉と微笑をたたえる彼女に、家治は一瞬で心を奪われます。

この演出は、政略と恋愛、感情と権力が絡み合う“江戸城の人間劇”を象徴しています。

「上様にお子を」という意次の思惑と、高岳の連携が、静かに後継者争いを再始動させるのです。

田沼意次が探る「次の西の丸様」候補の裏事情

一橋家や清水家といった御三卿は、相次いで次期将軍の座を辞退します。

その裏には、将軍職がもたらす拘束と代償への忌避がありました。

田沼意次は、将軍職に執着を持つ自身の姿勢がむしろ少数派かもしれないと、自問自答するようになります。

そんな中、政治の空白を埋めるべく、彼が動かしたのが“鶴子”という人選だったのです。

西の丸の後継問題は、やがて蔦重たち庶民の生きる世界にも静かに波及していくことになります。

大河ドラマならではの“政と市井”の交錯が、今後どのように展開するのか、注目が集まります。

べらぼう第17話のネタバレまとめ|蔦重の挑戦と人間模様

第17話「乱れ咲き往来の桜」は、蔦重が“教育出版”という新たな領域に踏み出す転換点のエピソードとなりました。

吉原を拠点としながらも、江戸の枠を超えて地方へと市場を広げる彼の出版戦略は、これまでの出版業界の常識を覆す試みです。

同時に、新之助との再会や、誰袖との関係を通して描かれる人間模様も、この回の深みを増しています。

地方市場開拓という逆転の発想

地本問屋による圧力と妨害を前にしても、蔦重は屈することなく戦略を練り上げます。

その鍵となったのが「江戸以外に販路を求める」という逆転の発想。

りつの人脈によって地方の豪農・豪商とつながり、実際に『耕作往来』『商売往来』という形で本を出版。

さらに内容にも彼らの意見を取り入れ、共創型の出版として広がっていく構図は、まさに“マーケティングの原点”とも言えるものでした。

出版を通じて恩に報いる蔦重の覚悟

この挑戦の根底にあったのは、「書を以て世を耕す」という恩師・源内の言葉に対する蔦重なりの答えでした。

吉原で育ち、色と欲の世界を渡ってきた彼が、書物によって子どもたちの未来を育てたいと願う姿には、人としての成長と使命感がにじんでいます。

出版は商売であると同時に、人をつなぎ、育て、残していくもの。

蔦重の出版哲学が、物語の中でも一層鮮やかに浮かび上がった回でした。

この記事のまとめ

  • 芝居効果で蔦重と耕書堂が江戸の話題に
  • 旧友・新之助との再会で往来物出版を決意
  • 地方販路の開拓で市中問屋と差別化
  • 豪農や師匠を巻き込む出版戦略を実行
  • 彫師・四五六の協力で高品質な書籍を実現
  • 誰袖との再会で恋模様にも動きが
  • 将軍継承問題も進行し、政の流れも動く
  • 教育と出版で世を耕すという理念の具現化

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