ラミ・マレック主演『アマチュア』とは？派手さゼロの頭脳派スパイスリラーに注目！

2025年4月11日に公開された映画『アマチュア』（原題：The Amateur）は、ラミ・マレック主演、ジェームズ・ホーズ監督によるリアル志向のサスペンス映画です。

スパイ映画といえば激しいアクションや特殊スキルが定番ですが、『アマチュア』はその常識を覆し、“戦えない男”の復讐と成長を描く異色の一本。

本記事では、映画のあらすじ、キャスト・スタッフ、見どころ、観客レビューから見た評価ポイントまでを詳しくご紹介します。

『アマチュア』のあらすじと設定｜主人公はCIA分析官

『アマチュア』の主人公は、実戦経験ゼロのCIA分析官チャーリー・ヘラー。

最愛の妻をロンドンでのテロ事件で亡くした彼は、復讐のために“自ら動く”という大胆な行動に出ます。

しかし、彼は暗殺者でもスパイでもなく、ただのサイバー捜査官。

銃の扱い方すらまともに知らない「アマチュア」が、組織に頼らず、自分の頭脳と執念で犯人に迫っていくというストーリーは、従来のスパイ映画とは一線を画す展開です。

最愛の妻を失った男の復讐劇

チャーリーの妻は、テロリストによる無差別爆破事件に巻き込まれ命を落とします。

事件の黒幕が明らかにならず、CIAが及び腰な対応しか取らない中、彼は独自に標的を突き止め、復讐の道を歩むことを決意。

訓練を試みるも「お前に人は殺せない」と教官に言われるシーンは、作品の核とも言える人間味を象徴しています。

殺し屋ではなく、“素人”が主役のスパイ映画

チャーリーは、銃撃や格闘には不向きな“文系スパイ”。

だからこそ、彼が追い詰められながらも仕掛ける「頭脳戦」がリアルかつ緊迫感を生み出します。

計画が失敗しかけたり、現場でパニックになるシーンなど、従来のスパイ像とは違う人間臭さが際立つのが本作の魅力です。

ラミ・マレックの繊細な演技が光る

本作で主人公チャーリー・ヘラーを演じるのは、アカデミー賞受賞俳優ラミ・マレック。

過去には『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じ、その繊細さと迫力ある演技が高く評価されました。

『アマチュア』では、非戦闘員が“正義と復讐”の間で揺れる姿を、内省的な表情と抑えた感情表現で丁寧に描いています。

チャーリー・ヘラー役で見せる“抑えた狂気”

チャーリーは決して激情型ではなく、常に沈着冷静に振る舞おうとします。

しかし、愛する者を失った心の痛みが、“静かな狂気”としてじわじわとにじみ出てくるマレックの演技は圧巻。

自信のなさや恐怖、緊張と怒りが、目線や呼吸の間に表れる繊細な演技が本作の核を支えています。

共演陣も豪華！ローレンス・フィッシュバーンらが脇を固める

CIA内部の人物として登場するローレンス・フィッシュバーン（『マトリックス』シリーズ）をはじめ、レイチェル・ブロズナハン（『マーベラス・ミセス・メイゼル』）、カトリーナ・バルフ（『アウトランダー』）らが共演。

それぞれが異なる立場からチャーリーの行動を見守り、支えたり阻んだりする多層的な人間関係もドラマ性を強めています。

特にホルト・マッキャラニーとの対峙シーンは、静かでありながらスリル満点の心理戦が繰り広げられ、観る者を引き込む名場面です。

リアルな緊張感と静かなサスペンスが魅力

『アマチュア』の最大の魅力は、“静”のスパイスリラーとして、終始張り詰めた空気感を貫いている点です。

激しいカーチェイスや爆発といったド派手な演出はありませんが、その代わりに、静かに迫る恐怖や、いつ破綻するか分からない緊張感が濃密に描かれています。

まるで観客自身が分析官になったかのように、張り巡らされた伏線の中を慎重に読み解いていく感覚が味わえます。

銃撃戦よりも“情報戦”が見せ場

本作では、銃撃や肉弾戦といったスパイ映画定番のアクションはほとんど登場しません。

その代わりに展開されるのが、チャーリーが得意とする情報収集、ハッキング、心理的駆け引きといった知的戦略です。

それぞれの動きにリスクが伴い、緊張感が絶えず持続する作りになっています。

伏線と陰謀が複雑に絡み合う構成

ストーリーは、妻を殺した犯人を追うという単純な復讐劇にとどまりません。

CIAの内部事情、国家的陰謀、情報統制、そしてチャーリー自身の過去と、複数のレイヤーが交差する構造が、本作に深みを与えています。

1つのシーンが後半で思わぬ形で回収されるなど、伏線の回収も緻密で見応え十分です。

観客の声から読み解く評価と惜しいポイント

『アマチュア』は公開直後からSNSやレビューサイトで話題となり、スパイ映画ファンや心理サスペンス好きの間で高評価を得ています。

一方で、アクションを期待していた観客からは「地味すぎる」との声もあり、その評価は“分かれる”作品と言えるでしょう。

以下に、代表的なポジティブ・ネガティブ双方の意見を紹介します。

「I.Q.高めのスパイ映画」「地味だけど面白い」と好評

• 「派手さはないが、とにかく緊張感がすごい。主人公の不器用さに共感」
• 「ラミ・マレックの抑えた演技が素晴らしい。目の演技だけで感情が伝わる」
• 「諜報戦にフォーカスした作品は意外と少ないので新鮮だった」

“アマチュアな主人公”を描くという着眼点が斬新で、多くの観客が新鮮味を感じたようです。

「完璧すぎる展開が気になる」という厳しい意見も

• 「素人がここまで完璧に計画遂行するのはリアリティに欠ける」
• 「情報戦中心なのは面白いけど、もう少し人間関係の深掘りが欲しかった」
• 「音楽や演出が淡白で、緩急に欠ける印象もあった」

完成度の高さゆえに“予定調和すぎる”という見方や、映像演出の控えめさを惜しむ声も一部見られました。

『アマチュア』はこんな人におすすめ

『アマチュア』は、従来の“ド派手スパイ映画”とは一線を画す知的サスペンスです。

アクションよりも心理戦や情報戦、リアルな感情描写を重視したい方に特におすすめの作品となっています。

また、スパイ映画やCIAものが好きだけれど「いつも同じような展開に飽きてきた」という人にも刺さるはずです。

• 地味でも濃密なサスペンスを楽しみたい方
• 主人公の成長や葛藤を丁寧に描いた物語が好きな方
• ラミ・マレックの静かな熱演を堪能したい方
• リアルなスパイ活動や情報分析に興味がある方

逆に、「銃撃戦やカーアクションを期待していた」方にはやや物足りなさを感じる可能性があります。

とはいえ、“静かなるスパイ映画”としての完成度は非常に高く、観終わったあとにじわじわと余韻が残るタイプの作品です。