Netflix『ザ・ガーデナー』あらすじ＆キャスト解説｜冷酷な殺し屋の“感情”が目を覚ます時

Netflixで2025年4月11日より独占配信されたスペイン発のサスペンスドラマ『ザ・ガーデナー（El Jardinero）』。

感情を失った殺し屋の青年が、次の標的となった女性に惹かれることで人生が狂い出す——そんな衝撃的かつ繊細な物語が展開されます。

園芸用品店を隠れ蓑にした雇われ殺人ビジネスと、支配的な母親の存在。そして芽生え始めた“感情”と“愛”。この記事では、『ザ・ガーデナー』のあらすじ・キャスト情報・見どころを徹底解説します。

『ザ・ガーデナー』の基本情報と作品概要

『ザ・ガーデナー（El Jardinero）』は、2025年4月11日からNetflixで全世界配信が開始されたスペイン発のサスペンスドラマです。

全6話構成で構成されるこのシリーズは、園芸用品店を隠れ蓑に雇われ殺人を行う親子を中心に、“愛”と“感情の再生”を描いた人間ドラマとして注目を集めています。

感情を持たない殺し屋が“恋”という初めての感情に出会ったとき、何が起こるのか——緊迫感と繊細さが共存する秀作です。

2025年4月11日よりNetflixで配信開始

配信開始は2025年4月11日、全6話が一挙公開されました。

スペイン国内を中心に撮影され、ガリシア地方などの風景も作品の魅力の一部として活かされています。

言語はスペイン語ですが、日本語字幕・吹き替えにも対応しており、日本でも高評価レビューが急増中です。

全6話構成、スペイン制作のサスペンス×ヒューマンドラマ

ジャンルとしては「サスペンス」や「犯罪ドラマ」に分類されますが、単なるクライム作品ではありません。

本作の核にあるのは家族間の支配、無感情、そして“心を取り戻す過程”です。

激しいアクションよりも心理描写に重点が置かれており、視聴後に余韻が残る作品として高い評価を得ています。

制作は『もうたくさん』などで知られるミゲル・サエス・カラル＆イサ・サンチェスの名コンビ。

社会的メッセージを含みながら、重厚な物語が展開されていきます。

あらすじ：感情を失った殺し屋と標的の女

『ザ・ガーデナー』の物語は、園芸用品店を営む母と息子が実は殺し屋家業をしているという衝撃的な設定から始まります。

主人公エルマーは、幼い頃の事故により「感情を失った青年」として育ち、母ラ・チーナの指示で冷酷に仕事をこなす日々を送っていました。

しかし、次のターゲットに選ばれた女性・ビオレタとの出会いが、彼の人生を大きく揺さぶっていきます。

母が営む園芸店の裏の顔は“殺し屋稼業”

ラ・チーナ・フラードは、一見穏やかな園芸店を経営しながら、裏ではターゲットの抹殺を請け負う冷酷なマダムです。

息子のエルマーを手足のように使い、殺しの命令に迷いを許さない圧倒的な支配者として描かれます。

その関係性は“親子”というよりも“命令と服従”の構図に近く、エルマーの人間性を押し殺していることが序盤から示唆されます。

ターゲットの保育士ビオレタに芽生えた感情

そんな中、新たな標的として現れるのが、優しい保育士・ビオレタ。

エルマーは彼女の素朴さや純粋さに触れるうち、これまで感じたことのない“温もり”に戸惑いを覚えます。

やがて彼の中に生まれた「感情」は、母への反抗心や“生きたい”という欲求を芽生えさせていきます。

果たしてエルマーは、殺し屋としての運命から逃れられるのか。

そして、ビオレタを守ることができるのか——サスペンスとヒューマン・ラブストーリーが交差する展開に引き込まれること間違いありません。

主要キャストと登場人物を紹介

『ザ・ガーデナー』の物語を牽引するのは、冷酷な殺し屋・エルマーと、支配的な母・ラ・チーナ、そして標的となる女性・ビオレタの三人。

それぞれのキャラクターに命を吹き込む俳優たちは、スペイン国内外で注目される実力派揃いです。

以下では、主要キャストの役柄と見どころを詳しく紹介します。

エルマー役：アルバロ・リコ｜感情を持たない殺し屋

アルバロ・リコが演じるエルマーは、幼少期の事故をきっかけに感情を失った青年。

無表情な中にも微細な変化を見せる演技は秀逸で、感情を持たない人物が少しずつ“心を取り戻していく”過程が観る者の心を打ちます。

冷酷さと純粋さが同居するキャラクター造形を、繊細な演技力で表現した新たな代表作といえるでしょう。

ラ・チーナ・フラード役：セシリア・スアレス｜支配的な母

セシリア・スアレスが演じるラ・チーナは、園芸用品店の経営者にして殺し屋組織のボスという二重の顔を持つ女性。

強烈な支配力と不穏な微笑みで、息子を自分の道具として操る冷酷な母親像を演じ切っています。

その存在感は物語の緊張感を高めると同時に、エルマーの葛藤の“影”を象徴する存在でもあります。

ビオレタ役：カテリーナ・ソペラナ｜命を狙われる保育士

カテリーナ・ソペラナ演じるビオレタは、心優しい保育士でありながら、ある理由からターゲットにされる女性。

その無垢さや包容力は、エルマーの心を動かし、物語の転機を生む存在として極めて重要です。

彼女の優しさが“武器”になるという対比も印象的で、静かに観客の感情を揺さぶるキャラクターです。

脇を固める実力派俳優にも注目

『ザ・ガーデナー』では、主要キャストの存在感に加えて、脇を固める俳優陣の演技力も作品の深みを支えています。

サスペンスドラマに欠かせない“影のある人物像”や、“善悪の境界”を揺るがす役割を、スペイン映画界の実力派たちが的確に演じています。

ここでは、注目すべき俳優とその役柄を紹介します。

エマ・スアレス、マリア・バスケス、フランシス・ロレンソらが出演

エマ・スアレスは、謎多き女性・サベラ役として登場。

その存在は、物語の背景に広がる闇を示唆しながら、ラ・チーナとは異なる“もう一つの母性”を描き出しています。

マリア・バスケス（カレーラ役）は警察側の視点で物語に介入し、緊張感のバランスを調整する重要な存在。

フランシス・ロレンソ（トーレス役）は組織内の一員として登場し、忠誠心と葛藤に揺れる人間味を加えています。

イバン・マサゲ、ハビエル・モルガデらの役柄と存在感

イバン・マサゲは無口な実行犯、ハビエル・モルガデは計画を冷静に進行させるオペレーター役を好演。

どちらも登場時間はそれほど多くないものの、登場するたびに場面の空気を変える力を持っています。

また、エステバン・ロエルやカンデラ・ソレといった俳優陣も、作品に“現実の重み”を加える役割を果たしており、サブキャラクターが印象に残る構成となっています。

全体として、“誰一人として無駄なキャストがいない”と感じさせる、濃密な配役が『ザ・ガーデナー』の魅力のひとつです。

スタッフ・制作陣の情報

『ザ・ガーデナー』は、その構成力と演出力からも高い評価を受けており、制作陣の手腕にも大きな注目が集まっています。

本作は、スペインの実力派スタッフたちが結集した意欲作であり、社会派サスペンスとしての深みを生み出す要因ともなっています。

脚本から監督まで、それぞれの視点が融合し、繊細で重厚なドラマ性を形成しています。

制作はミゲル・サエス・カラル×イサ・サンチェス

原作・制作を担当したのは、『もうたくさん』などでも知られるミゲル・サエス・カラル。

脚本はそのカラルに加え、イサ・サンチェスが共同執筆を担当。

サスペンスの緊張感と、家族愛や人間の再生を描く深層的なドラマ性をバランス良く織り込んでいます。

このコンビは、スペイン国内でも評価の高い“骨太な物語”づくりで知られており、本作でもその真骨頂が発揮されています。

監督はミケル・ルエダ＆ラファ・モンテシノス

メガホンを取ったのは、ミケル・ルエダとラファ・モンテシノスの2名。

ミケル・ルエダは、若者の心情描写を得意とする監督であり、本作でもエルマーの葛藤を静かに映し出しています。

一方、ラファ・モンテシノスは緊張感ある構図やリズムのある演出に長け、スリラー要素に厚みを加える存在として機能。

この二人のタッグによって、ヒューマンドラマとサスペンスの融合という難しいバランスが成立しているのです。

まとめ：『ザ・ガーデナー』は母と息子の支配と葛藤の物語

Netflixオリジナルドラマ『ザ・ガーデナー』は、単なるサスペンス作品にとどまらず、親子の支配関係と“感情の目覚め”を描く深いヒューマンドラマです。

冷酷な殺し屋として生きてきたエルマーが、愛に触れることで自分自身を再発見していく姿には、強い共感と切なさを覚えるでしょう。

感情と暴力、家族と自由というテーマが、静かで緻密な演出と緊張感あふれる展開で丁寧に描かれています。

冷酷さと感情の再生、そして愛を巡るスパニッシュ・サスペンス

この作品の最大の魅力は、冷たさの中に宿る“人間らしさ”に気づかせてくれる点にあります。

エルマーの葛藤や、母ラ・チーナとの依存と反抗の関係、そしてビオレタへの思いが交錯する展開は、サスペンスを超えた感動を与えてくれます。

観終えた後には、「人はどうやって変わるのか」「愛は人を救えるのか」という深い問いが残るはずです。

『ザ・ガーデナー』は、そんな思索と余韻をもたらす、上質なスリラードラマの一つです。