彼女がそれも愛と呼ぶなら最終回ネタバレ｜伊麻と氷雨、そして“愛の正解”

『彼女がそれも愛と呼ぶなら』の最終回が2025年6月5日に放送され、複数恋愛というテーマのもとに生きてきた伊麻（栗山千明）がどのような「愛の形」にたどり着いたのかが描かれました。

最終話では、伊麻が氷雨（伊藤健太郎）との結婚を決意しながらも、自分らしい恋愛観を大切にし続ける姿が印象的に描かれます。

また、娘・千夏の自立、友人・絹香の再出発など、それぞれが“自分の幸せ”を選ぶ過程も繊細に描かれ、視聴者に深い余韻を残すフィナーレとなりました。

伊麻が導き出した“愛の正解”とは

物語の最終回で描かれたのは、主人公・伊麻が自らの恋愛観と真剣に向き合い、「愛の正解」を模索する姿でした。

ポリアモリーという自由な恋愛スタイルを貫いてきた彼女が、氷雨からのプロポーズを受けたことで、心の奥に潜む本当の想いと対峙することになります。

一見、選択に見えるこの決断は、実は彼女にとって「答えを出す」ことではなく、「誰かを思いやること」が真の意味での愛であると気づく過程だったのです。

氷雨との結婚と仮面の自画像が示す心の変化

伊麻は氷雨との結婚を一度は受け入れ、入籍や式の準備を進める日々を送りました。

しかし、彼女のアトリエにあった“仮面をつけた自画像”は、彼女が自分自身に正直になれない苦悩を象徴していました。

仮面をつけた自己像は、自由を手放して一人の人と歩むことへの迷いを表しており、視聴者にも彼女の内なる葛藤を深く感じさせました。

ポリアモリーから一対一へ、変わらぬ伊麻の本質

氷雨は「自分だけを愛してほしい」という価値観のもとでプロポーズをしましたが、伊麻はその思いに応えることができませんでした。

「愛する人の愛に応える。それが愛の正解だと思うから」と語る伊麻は、あくまで自分の愛の形を否定せず、他者の気持ちも尊重する姿勢を貫きました。

その結果、氷雨との関係は終わりを迎えたものの、到や亜夫との関係、さらには新たに登場したマックスとの未来の可能性へと繋がっていきます。

千夏が自立を選んだ理由とその後の成長

伊麻の娘・千夏もまた、最終回で大きな成長を遂げます。

恋人・太呂の執拗な束縛と暴力的な言動により、精神的に追い詰められていった千夏は、自分の中にある「恐怖」と「否定された自尊心」に向き合うことになります。

そんな中で彼女が選んだのは、「誰かのものではない、自分自身の人生を生きる」という勇気ある選択でした。

太呂のストーカー行為とデートDVの告白

人気者であった太呂は、千夏に対して甘い言葉を囁きながらも、次第に支配的な言動を強めていきました。

「連絡を返さないだけで怒鳴る」「周囲の男友達との関係を遮断させる」といったデートDVの兆候が見えはじめ、千夏は日常を脅かされるようになります。

最終的に千夏は「私の体は、私のものだ」ときっぱりと関係を断ち、自己尊重の一歩を踏み出します。

母・伊麻や友人・花梨との関係の再構築

千夏が自立に向かう大きな原動力となったのは、母・伊麻の生き方と、親友・花梨の存在でした。

はじめは家庭の特殊な恋愛スタイルを恥じていた千夏でしたが、花梨に正直に打ち明けたことで、「本当の友情」と「信頼」を築くことができました。

また、伊麻が千夏の選択を否定せず見守ったことが、娘の背中を押し、親子の絆を再び結び直すきっかけとなったのです。

氷雨が選んだ“もう一つの愛の形”

氷雨は、伊麻との関係の中で「自分だけを愛してほしい」という独占的な愛を望み続けてきました。

しかし、ポリアモリーを貫く伊麻との間にある“価値観の深い溝”は、彼の心に葛藤を生み、ついには大きな決断を下すに至ります。

最終話で描かれた氷雨の選択は、愛とは「一緒にいること」ではなく、「相手の自由を尊重すること」でもあると静かに語りかけてきます。

プロポーズの拒絶と別れの決断

氷雨は伊麻に真剣なプロポーズをしますが、彼女はそれを「一人だけを選ぶことはできない」と断ります。

この言葉に込められた伊麻の思いは、愛に対する誠実さでしたが、それは氷雨にとって受け入れ難い現実でもありました。

「このままでは自分の心が壊れてしまう」という想いから、氷雨は伊麻の元を離れる決意を固めます。

大学院の女性との新たな人生へ

伊麻との別れを決断した後、氷雨は大学院で自分に好意を寄せてくれた女性と向き合うようになります。

その女性との関係は、予測可能で穏やかな未来が見えるもの――氷雨が求めていた「安定した一対一の愛」の形そのものでした。

彼は「誰かを愛することと、自分が満たされること」の両立を新たな道で実現しようと進んでいきます。

最終回のラスト、氷雨の穏やかな表情は、「自分の幸せは自分で選ぶ」という、もう一つの愛の正解を示しているように見えました。

絹香が迎えた再出発と本当の気持ち

伊麻の親友・絹香は、夫とのモラハラ的な関係に悩みながらも「家庭を守ることが正しい」と信じて生きてきました。

しかし、彼女の中にある「本当はもっと自由に生きたい」「誰かに優しくされたい」という思いが、針生との出会いを通して表面化していきます。

最終話では、そんな絹香が自分の心に正直になる決断をする姿が描かれ、視聴者に強い共感と感動を呼びました。

DV夫との関係を断ち切るまでの葛藤

絹香の夫は表向きには良き家庭人を装いつつ、精神的に妻を支配する発言や態度を繰り返していました。

「家庭が壊れるのは私のせいでは」と自責の念に駆られ続けた絹香でしたが、伊麻の率直な言葉や針生の優しさに触れることで、少しずつ殻を破っていきます。

そして、ついに「私は、もう頑張らなくていいんだ」と自分自身を受け入れる選択をします。

針生への想いとクリスマスの再会

絹香が針生と再び向き合うきっかけとなったのは、クリスマスの夜でした。

一度は「家族を選ぶ」と別れを選んだ絹香でしたが、自分の心の声に正直になった結果、針生に会いに行く決断をします。

その再会のシーンは多くを語らずとも、絹香の再出発の象徴として感動的に描かれていました。

「愛とは、誰かと生きる勇気を持つこと」――絹香の物語は、そんなメッセージを静かに伝えてくれました。

彼女がそれも愛と呼ぶなら最終回ネタバレまとめ

『彼女がそれも愛と呼ぶなら』最終回は、それぞれの登場人物が「自分らしい愛の形」を選択することで幕を閉じました。

伊麻はポリアモリーという価値観を変えずに、真の意味で“自由”な愛を受け入れ、千夏は苦しみから自立へと成長し、絹香もまた自分の幸せを優先する選択をしました。

本作は、恋愛・家族・友情すべての形が「一つではない」ことを描き、視聴者に多くの問いを投げかけています。

“普通”を問い直す愛の多様性

「結婚＝ゴール」「独占＝愛情」といった、従来の常識に縛られない登場人物たちの選択は、現代の価値観の揺らぎそのものでした。

伊麻の「私はこうありたい」と願う気持ち、千夏の「私の体は私のもの」、絹香の「頑張りすぎない選択」は、誰かにとっての勇気にもつながる行動です。

“普通”を超えて、どう生きるか。その答えを探す旅が、このドラマの本質だったと言えるでしょう。

それぞれが選んだ、自分らしい生き方の結末

伊麻は新たな恋の予感を残しつつ、自分らしい愛の形を肯定し続けました。

氷雨は過去を断ち切り、新たな恋へ進み、千夏は自立した女性としての一歩を踏み出します。

絹香は愛されることを拒まない強さを手に入れ、針生との再会で心の安らぎを見つけました。

この最終回は、「愛とは何か？」という問いに対する一つの答えとして、視聴者の胸に深く残るラストとなったのです。