2025年6月13日放送の『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』第11話「会いたいよ、恵子さん」は、愛と依存、正しさと支配──その境界線がふたたび揺らぐ回です。
拓人(野村康太)は、保護された恵子(松下由樹)が再び姿を現したと聞き、思わず涙を流します。その涙の裏にある“依存”とも取れる心理が浮かび上がり、同居する美羽(中村ゆりか)との関係にわだかまりが生まれます :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
さらに、拓人の母・雪乃(山口紗弥加)が登場し、幼少期からのトラウマが再燃。安穏だった日常は急速に崩れ去り、狂愛サスペンスはクライマックスへと突入します。
- 『ディアマイベイビー』第11話の核心展開
- 拓人と恵子、美羽の関係の変化と崩壊
- 最終回直前で提示された“幻影”の意味
拓人の涙は“安堵”ではなく“依存”だった
かつて自分のすべてだったマネージャー・吉川恵子の生存を知ったとき、拓人は理屈を超えて涙を流しました。
それは“感謝”や“安堵”といった建前ではなく、もっと根源的な感情——依存が回復する喜びでした。
「あの人がいないと、自分の居場所がない」——そう無意識に刷り込まれてきた過去が、拓人の奥底に深く残っていたのです。
恵子の“生存”に見せた本能的な反応
事件から1年半が経ち、拓人は俳優として成功を収め、美羽との穏やかな日常も得ました。
それでも、彼の心には常に“恵子という幻”が残っていました。
この第11話では、恵子が美羽の元を訪ねたという知らせを聞いた瞬間に、拓人の顔に喜びとも恐怖とも取れる表情が浮かび、無意識の涙がこぼれ落ちるというシーンが印象的でした。
美羽が感じた不気味な違和感と怒り
拓人の涙を見た美羽は、最初は同情しながらも、次第に自分が“恵子の代わり”だったのではという不安を募らせます。
穏やかだった日常の中に、目に見えない“裂け目”が生まれ始めた瞬間でした。
美羽の言葉は少ないながらも、視線や態度からにじむ違和感と怒りがリアルに描かれており、視聴者も拓人の“異常な愛”に対して緊張感を持つ展開となっています。
恋の対象が“恵子”であるという現実
拓人が抱く感情は、もはや“尊敬”や“母性への渇望”ではなく、明確な恋慕の域に突入していました。
後任マネージャー・神崎理恵に対しても、拓人はその空虚を埋めようとするように過剰な接触を試みます。
しかしそれは、理恵自身を見ているのではなく、“恵子の面影”を投影しているだけでした。
理恵が感じ取った“比較”の苦しみ
神崎はプロフェッショナルな立場で拓人に接しようとしますが、彼の言葉や視線には常に“あなたじゃない”というメッセージが含まれています。
視聴者にもその空気が明確に伝わり、神崎の戸惑いや悲しみが丁寧に描写されていました。
この構図が示しているのは、拓人にとって“恋”とは、恵子という呪縛の延長線にある感情であり、そこに他者が入り込む余地はないという現実です。
恵子の“代用品”を求める危うさ
人は誰しも過去の記憶に縛られるものですが、拓人はそれが極端に強く、愛の代用物を現実世界に投影しようとしています。
この構図が続く限り、彼の対人関係はゆがみ続け、やがては破綻を招くことになるでしょう。
そして視聴者は、その“破綻”がいつどのように訪れるのかに注目せざるを得ません。
母・雪乃の登場と“拓人の原点”
拓人の心を最も深く揺さぶったのは、母・雪乃(山口紗弥加)の突然の登場でした。
それはただの“親の訪問”ではなく、彼が最も触れたくない過去との再会を意味していました。
雪乃の姿を見た瞬間、拓人の表情が硬直し、視線は宙を泳ぎました。
“子役時代のトラウマ”が呼び起こされる
かつて母の管理下で活動していた幼少期の拓人は、演技ではなく“愛されること”を演じていたに過ぎません。
母の期待に応えるために生き、感情の自由を封じていた拓人にとって、雪乃の再登場はその呪いの再発でもありました。
雪乃が持参した“昔の台本”が象徴するように、拓人の過去はまだ終わっていないのです。
雪乃の視線は“支配”か“母性”か
このエピソードで印象的なのは、雪乃が拓人をじっと見つめるカットの連続です。
それは息子の再出発を見守るものなのか、それとも再び自分の手元に取り戻そうとする支配の目なのか――。
どちらにも取れる演出が、視聴者に“母性と狂気の境界線”を問いかける形となっていました。
拓人の“崩壊”と恵子の“幻影”
第11話の終盤、拓人の精神状態は限界へと達していきます。
恵子がいない現実を受け入れられないまま、彼の言動は次第に狂気じみたものへと変貌します。
視聴者にとっては「これは幻覚か、それとも再会か」という緊迫の展開が続きます。
“恵子の影”がすべてを蝕む
拓人は街中で恵子に似た女性を追いかけ、突然叫び出す場面など、現実と幻影の境界線が曖昧になっていきます。
その姿は、スター俳優としての面影とは程遠く、視聴者に“恐れ”と“哀れみ”を同時に抱かせるほどです。
恵子という存在が、彼のすべての基盤を支えていたことが浮き彫りになります。
ラストシーンに残された“余白”
エピソードのラストで、拓人の目の前に“恵子のような女性”が現れます。
その女性の顔は明かされず、ただ微笑むだけ――。
あれは夢か、幻か、それとも…?
この意味深な幕切れによって、視聴者は“再会”という言葉の意味を問い直されます。
- 拓人は恵子との再会を無意識に願っていた
- 美羽との関係に深い亀裂が生じる
- 新マネージャー・神崎との衝突が勃発
- 母・雪乃の登場で拓人のトラウマが再燃
- 平穏な生活が少しずつ崩れていく描写
- 恵子の存在が全てを狂わせ始める
- 拓人の“執着”が物語を狂気へ導く
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